スポーツ
2023/10/01陸上競技部駅伝チームが、10月14日に東京都立川市の国営昭和記念公園などで開催される第100回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会に出場する。昨年度の本戦で15位に終わった悔しさをバネに、チーム一丸で走り込みを続けてきた選手たち。実績のある上級生に加え、今夏に急成長を遂げた1、2年生を中心に、まずは予選会突破を目指す。
予選会は、陸上自衛隊立川駐屯地を周回後、市街地を経て昭和記念公園内を走るハーフマラソンで争われる。各大学から12人が出場し、上位10人の合計タイムで出場校が決まる。100回記念を迎える今大会は出場資格が全国の大学に拡大されており、例年より3大学多い上位13大学が本戦へと進む。本戦では関東学生連合チームは編成されない。両角速駅伝監督(スポーツプロモーションセンター教授)は、「箱根駅伝は学生にとって特別な舞台。予選会はプレッシャーも大きく、出場人数も多いことから、思いどおりに走れないことも想定される」と特有の難しさを語る。コースも駐屯地から市街地までは平坦だが、昭和記念公園内ではアップダウンが続き、精神的な強さだけでなく、スタミナも要求される。
長野・北海道で夏季合宿 スタミナ強化へ切磋琢磨
駅伝チームは今夏、予選会突破、本戦での上位進出を目指し、長野県の白樺湖や菅平高原、北海道の紋別市などで合宿を張ってきた。序盤は長い距離を走ってスタミナをつけ、後半はスピード練習も加えて強度を上げながら、着実に力をつけてきた。両角監督は、「下級生でも、エースの石原翔太郎(体育学部4年)花岡寿哉(情報理工学部2年)らに食らいつくなど勢いがあった。切磋琢磨しながら、いいトレーニングができた」と振り返る。
また、例年以上にミーティングの回数を増やしたことで選手たちも、「練習メニューの意図が明確になって、より意欲的に走り込めた」「チーム一丸で戦う雰囲気が広がり、つらいトレーニングも乗り越えられた」と充実感を口にした。
51度目の箱根路出場へ ミスのないレース目指す
予選会では、力のある選手がタイムを稼ぐために先頭集団を形成する。後続は大きく遅れる選手が出ないようにチームごとに設定したタイムの下、集団走でレースを進めるのが定石だ。当日の選手のコンディションや気温などによって役割や設定タイムは変わるが、両角監督は、「トップ通過を目指して無理をするのではなく、本戦出場権獲得にこだわったレースを想定している」と話す。また、「他大学にも有力な選手が多い」と、昨年度の予選会をトップ通過した大東文化大学や安定感のあるランナーが多い帝京大学、さらに、留学生エースの爆発力を武器にするいくつかの大学をライバルに挙げた。
11年連続51度目の箱根路出場に向けて、越陽汰駅伝主将(体育学部3年)は、「練習の成果をしっかりと出し切り、本戦に向けて勢いをつけたい」と意気込んでいる。
夏合宿を振り返り、両角監督や西出仁明ヘッドコーチ(スポーツプロモーションセンター准教授)らが特に評価したのは、2年生の成長だ。昨年度、ルーキーながら主軸を担った花岡選手や、箱根駅伝で7区を任された竹割真選手(文化社会学部)のほかにも、鈴木天智選手(体育学部)ら力のある選手がそろう。
中でも指導陣が、その成長に目を細めたのは、兵藤ジュダ選手(同)。付属静岡翔洋高校3年時に全国高校総合体育大会800メートルで優勝、1500メートルでも準優勝と抜群のスピードを武器としてきたが、大学1年時は故障に苦しんだ。
この春も練習は積めたものの結果にはつながらず、「苦しい時間が続いたが下を向いてはいられない。変わるならこの夏しかない」と心に決めて合宿に臨んだ。練習を積むごとに「弱点だった」というスタミナが向上し、合宿後半では「長い距離でも余裕を持って走れるようになりました。合宿最終盤にはラストスパートまで余力が残せている感覚もあり、成長を実感できています」と笑顔を見せた。
予選会出場を予定している選手たちは、コンディション調整の一環で9月23日の日本体育大学長距離競技会1万メートルに出場。兵藤選手は初めての1万メートルながら、29分8秒11でゴール。同レースでチームトップになった鈴木選手は、28分56秒95と自己ベストをマークした。両選手は、「練習の一環だったので、まだまだタイムは出せる」と口をそろえ、「予選会では、本戦出場権獲得に1秒でも貢献できるようタイムを稼ぎたい」と抱負を語った。
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