スポーツ
2024/01/01陸上競技部駅伝チームが1月2、3日に東京・大手町から箱根・芦ノ湖間で開催される東京箱根間往復大学駅伝競走(10区間/217.1キロ)でシード権獲得を狙う。
今大会はエントリー16選手のうち6人を2年生が占めた=表参照。5月の関東学生対校選手権大会1万㍍で28分15秒65(チーム歴代8位)をマークした花岡寿哉選手(情報理工学部)や、11月の日本体育大学長距離競技会1万メートルで28分14秒75(チーム歴代7位)を記録した兵藤ジュダ選手(体育学部)は、チームを支えてきた歴代のエースたちと肩を並べる力を持つ。花岡選手は、「中途半端な走りは求められていない。区間賞を狙う」と語り、兵藤選手は、「“東海大学のエースは自分だ”と自覚や責任感を持ってスタートラインに立つ」と意気込みを語っている。
同学年には、10月の箱根駅伝予選会でチームトップに入った鈴木天智選手(同)や11月の上尾シティハーフマラソンで62分40秒の好タイムを記録したロホマンシュモン選手(同)ら実力者が顔をそろえる。2年生は入学時から、「最上級生で臨む2025年度の箱根駅伝で総合優勝する」と目標を掲げており、今大会で復権への足掛かりをつくる構えだ。急成長を続ける2年生だけでなく、今年度は多くの選手が自己ベストを更新してきた。エントリーメンバーの1万メートル平均タイムは、箱根駅伝出場23チーム中4位。両角速駅伝監督(スポーツプロモーションセンター教授)は、「箱根のシード権に向けて手応えが出てきた」と成長を語っている。
チームに吹く追い風 エースと主将が復活
勢いづくランナーたちに加え、箱根駅伝ではエース石原翔太郎選手(体育学部4年)と越陽汰駅伝主将(同3年=下囲み記事参照)がチームに復帰する。
石原選手はこれまでの学生三大駅伝で、3度の区間賞を獲得した大学駅伝界トップクラスの選手。8月のワールドユニバーシティゲームズ5000メートルでは4位に入った。しかし、9月に右足底を痛め、長いリハビリを強いられた。12月から本格的な練習を再開し、自身最後の箱根路に向けて「焦らず、少しでもいい状態でレースに臨みたい」と調整を続けている。両角監督は、「前を行くランナーを猛然と追い、次々に追い抜きながら全力を出し切る“駅伝力”のあるランナー」と評する。箱根では、「シード権内でタスキをもらえばさらに上位へ、悪い流れでもその空気を一掃するゲームチェンジャー」の役割を期待し、「復路の切り札」としての起用を示唆した。
チームは今季、「復活の狼煙(のろし)~返り咲け東海~」をスローガンに掲げる。エースと主将の復活を追い風に、新春の大一番で、“再起へ駆ける”。
越陽汰駅伝主将(体育学部3年)
「強い東海大を復活させる」。12月13日、湘南キャンパスで行われた報道陣向け公開練習で越主将は力強く意気込みを語った。
高校駅伝の名門・佐久長聖高校出身で、1年時の箱根駅伝では7区区間3位、翌年は4区区間9位と好走した。しかし、チームは総合11位、15位と悔しい結果に。自身も、2年時の夏ごろから、目まいや吐き気が頻繁に起こる「メニエール病」を発症し、思うとおりの練習ができない時期が続いた。
新年度を迎えたこの春、「チームを変えたい。主将としての経験が自分の成長にもつながる」と3年生ながら駅伝主将に立候補した。チームメートには、「寮生活から意識を高く持ち、応援してもらえる選手になろう」と声をかけ続けた。
多くの選手が結果を残す今季、「チームの雰囲気が日に日によくなっている」と自信をのぞかせる。仲間の姿に背中を押されるように自身の調子も上がり、昨夏から苦しんだ目まいからも「解放されつつある」という。大一番に向け、「どの区間でも全力で走り抜く」と目を輝かせる3年生主将が、「強い東海大」復活に導く。
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