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コラム

2011/09/01
東海大学の先生方が、教育・研究活動などを通して学生と接する中で感じたことをつづったリレーコラム(Back Number掲載中)

目標を持って日々を過ごす

総合経営学部マネジメント学科 大川康隆 助教

私は、熊本校舎にある総合経営学部マネジメント学科に所属しています。この機会に、どんなことを学ぶ学科なのか少し紹介をしましょう。マネジメント学科は「経営基盤コース」「先端ビジネスコース」「国際ビジネスコース」「スポーツビジネスコース」の4コースから構成されています。

私の属しているスポーツビジネスコースでは、その名の通り、スポーツをビジネスやマネジメントの視点から学ぶことを目標にしています。国の財政削減、企業スポーツの衰退などにより、スポーツ組織も経済的な自立を求められています。スポーツビジネスに興味のある学生が増え、スポーツ界を支えられるような人材が出てきてくれればと思っています。

さて、私の大学時代といえば、柔道に打ち込む日々でした。早朝からのトレーニング、授業終了後の畳の上でのけいこと、柔道が中心の生活でした。夏休みのような長期の休みは合宿漬けの毎日です。自分のベッドで寝ていたのは何日あったでしょうか。全国大会での優勝を目標としていた私にとって、このような日々の過ごし方というのは当然でした。夏休みを満喫していた友人をうらやましく思わなかったと言えばうそになりますが、それよりも目標達成のために一生懸命に努力することのほうが重要だったのです。

このように努力を積み重ねても結果が出ないことがあります。そのようなとき、恩師が、「勝負は勝たねばならない。しかし、勝つことがすべてではない。柔道を通して君たちは人生を先行体験しているのだよ」という話をされたことを思い出します。人生においての勝ち負けや、努力をしても報われないこと、勝って喜び負けて悔しく思うことなどを、柔道を通して先に体験しているということです。

運動会のかけっこで、皆で手をつないでゴールをするといった「平等」思想は、社会に出てからは全く役に立ちません。勝負という文字が表すように、「勝」つ者がいれば、「負」ける者もいるわけです。皆等しく勝者にはなりえません。勝者の裏には必ず敗者がいます。win│winの関係が築けることが理想ですが、そのような理想の裏には厳しい現実が待っています。

私がしつこいくらいに何度も学生に伝えることが、この社会の厳しさです。夢と希望を持ってもらいつつも、一方で現実的な行動を学生には求めています。4年間という大学生活は、何か大きなことを成し遂げるには短すぎますが、何もせずに卒業してしまうには長すぎます。

小さなことでも構いません。自分自身で目標を持つこと、それに向かってしっかりと努力をすること。それができれば、他の物事に対しても同じように向き合っていけるはずです。何はともあれ、充実した4年間を過ごしてもらいたいと思っています。

 

おおかわ・やすたか 1981年熊本県生まれ。東海大学文学部英語文化コミュニケーション学科卒業。東海大学大学院文学研究科英文学専攻修了。日本オリンピック委員会International SportsAdministration研修員を経て現職。専門はスポーツマネジメントなど

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