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コラム

2012/01/01
東海大学の先生方が、教育・研究活動などを通して学生と接する中で感じたことをつづったリレーコラム(Back Number掲載中)

最新鋭の実験施設で充実の学びを

情報通信学部経営システム工学科 辛島光彦 教授

私が所属している情報通信学部経営システム工学科は、2008年4月に高輪校舎に新たに設置されました。私も、設置とともに湘南校舎の情報理工学部経営システム工学科から移動して来ました。昨年までは湘南校舎、高輪校舎の両方に学生がおり、両校舎を行き来する状態が続いていましたが、湘南校舎の学生も大学院生を残して大半が卒業し、今年度から高輪校舎が本拠という形になりました。現在は、高輪校舎からの初めての卒業生を送り出すべく、教員も学生と一緒になり卒業のための最後の関門である「実践プロジェクト」(一般の卒業研究にあたるものです)に奮闘しています。

湘南校舎と高輪校舎では多くの相違があります。高輪校舎は1学部だけで構成され、校舎も3棟しかなく、湘南校舎と比べると小ぢんまりしています。学生の多様性や施設の多様性といった湘南校舎のスケールメリットを生かした特長がない半面、小ぢんまりとしたスケールを生かし、高輪校舎では教職員と学生の距離が非常に近くなっています。私自身も高輪校舎に移動してからは、授業の有無にかかわらず、毎日のように自学科の学生と学内で顔を合わせ、会話を交わすようになり、ゼミ生以外でも学生の名前と顔は一致するようになってきています。

高輪校舎は完成したばかりですから、施設・設備が最新鋭のものになっている点も湘南校舎との大きな相違点です。この相違は私自身が直接かかわる施設・設備にも当てはまり、製品の使いやすさを評価するために人がその製品を使っている様子(ユーザビリティテスト)を観察・記録するための「ユーザビリティラボ」と、脳波や心電図に代表される人の生体情報を電気的ノイズの影響を受けずに記録するための「シールドルーム」がそれにあたります。湘南校舎にも小さなシールドルーム兼ユーザビリティラボがありますが、高輪校舎では別々に設置され、同時に複数の研究テーマの実験が行えるようになっています。

特にユーザビリティラボは、部屋の大きさ、観察・記録のために整備されている設備のどちらをとっても大学日本一といってもよい充実した施設になっています。昨年度より、管理工学実験の中で3年生にこのユーザビリティラボを利用して、ユーザビリティテストを体験してもらっています。そして今年度からは4年生の卒業研究あるいは湘南校舎の大学院生の修士論文研究のためのさまざまな実験でもユーザビリティラボとシールドルームが活用されるようになり、いよいよ本格稼働しています。

手前みそになりますが、自分の学生時代の実験環境を思い出して高輪校舎の環境と比較すると、このような最新鋭の充実した施設・設備で大学生の集大成である卒業研究に取り組める高輪の学生は幸せだなあとうらやましく思いつつ、この施設・設備を十分に生かせるように頑張ってほしいなと、期待しています。

 
(写真)ユーザビリティラボの観察室

からしま・みつひこ 1965年横浜生まれ。早稲田大学理工学部卒業、早稲田大学大学院理工学研究科修士課程修了、同博士後期課程単位取得退学、博士(工学)。専門は人間工学。

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