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研究

2023/10/01

研究力強化へ「次世代研究創成拠点」設置

シンポで他をリードする研究を紹介

学際的・独創的な学術的価値の高い研究を推進し、社会実装につなげる――東海大学の新たな挑戦が始まっている。今年1月に、情報学や医学、理工学、社会科学の融合研究を創出する「次世代研究創成拠点」を設置。9月13日にはその取り組みを紹介する「シンポジウム2023」が、川崎市・株式会社島津製作所東京イノベーションプラザで開かれた。

 

「産官学連携による研究開発活動を通して、

社会課題の解決を目指したい」と稲津副学長

次世代研究創成拠点は、特色ある研究を推進する学内の3つの研究所「マイクロ・ナノ研究開発センター(MNTC)」「総合医学研究所」「先進生命科学研究所」の合同拠点として設置された。医学、理学、工学、AI、情報学、経済学など多様な分野を横断する質の高い研究を推進。さらに、その成果を実用化につなげるとともに、社会と学術界の連携による好循環を構築し、若手研究者や研究支援人材の育成を目指す。
 
シンポジウムはオンラインでも配信。東海大の教職員をはじめ、大学や企業の研究者、文部科学省や自治体の職員ら224人が参加した。
 
初めに、梶井龍太郎学長代理が登壇。「新たな分野で日本をリードする、世界に負けない研究を展開したい。ぜひご協力をお願いします」とあいさつした。
 
続いて、稲津敏行副学長(理系担当)が次世代研究創成拠点の概要や今後の展開について紹介。「災害医療や材料科学、スポーツ医学、衛星情報など、新しい拠点となり得る研究が進んでいます。学園の創立者・松前重義博士が訴えた〝技術の社会還元〞の考えを受け継ぎ、創立100周年に向けて、研究の充実・支援と実用化、人材育成に全力で取り組みます」と語った。

 

東海大の強みとなる特色ある研究を展開

東海大との共同研究を語るボーマン教授

次世代研究創成拠点に所属する若手・中堅研究者による研究紹介には4人が登壇。医学部医学科からは、中川草准教授(基礎医学系分子生命科学領域、総医研、MNTC)が「ワンヘルス研究のための大量塩基配列データ解析」、後藤信一講師(総合診療学系総合内科学領域、総医研)が「AIを活用した革新的診断技術開発―多次元臨床データ学習―」をテーマに紹介した。
 
理学部化学科の荒井堅太講師(先進生命科学研究所)は、「典型元素戦略が拓く生命機能の拡張と強化の可能性」、MNTCの木村啓志教授(工学部生物工学科)は「マイクロ流体デバイス技術を基盤とする生体模倣システム」と題して発表した。
 
国際連携を推進し地域の中核大学に

特別セッションでは、イギリス・オックスフォード大学のルイーズ・ボーマン教授が講演。2011年に始まり、14年の学術協定締結によってさらに連携を深めて実施されている医学科の後藤信哉教授との心血管疾患に関する研究など、10年以上にわたる両大学の交流を振り返った。
 
また、イギリスのUKバイオバンクや大規模な観察研究を支援するナフィールド公衆衛生研究所(NDPH)のビッグデータに関する研究も紹介。「情報科学と医学・理工学の連携が東海大の強み。文科省の支援で、両大学はビッグデータとコンピュータ技術を活用した個別化医療分野の研究で世界をリードできると考えます」と語った。
 
最後に、文科省科学技術・学術政策局の池田一郎課長が、地域の中核となる特色ある大学を振興するための多様な施策について説明。「自らの強みや特色を伸ばそうとする大学の戦略的経営が、全国的な成長のエンジンになります。そのためには、組織を超えた連携や相互理解が必要です」と述べた。参加者からは研究支援人材の育成などについて質問が寄せられた。
 
全プログラム終了後に、森正樹副学長(医系担当)が関係者への謝辞を述べ、「学部生と大学院生が未来への希望を持って勉学や研究に集中できる環境をさらに充実させたい。総合大学としての強みを生かして研究力の強化を図り、国内での確固たる地位を築いていきます」と結んだ。

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