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研究

2023/12/01

【文理融合学部】「電気式人工喉頭」開発に貢献

泉教授らに文部科学大臣賞

泉教授(右から3人目)と木之内キャンパス長

(同2人目)を含む関係者が表彰状と盾を

受け取った

文理融合学部人間情報工学科の泉隆教授らの研究チームが開発した「電気式人工喉頭」(特許第4940408号)がこのほど、「令和5年度北海道地方発明表彰」の文部科学大臣賞を受賞。学校法人東海大学の松前義昭理事長らが実施功績賞に選ばれた。全国8地方で行われている同表彰は、科学技術の向上と地域産業の振興に寄与することが目的。10月26日に北海道・グランドパーク小樽で表彰式が開かれ、泉教授と、松前理事長の代理として木之内均熊本キャンパス長が出席した。
 
人間は喉頭内部の声帯で音声の原音を生成し、口や舌の動きで音色を変化させて発話しており、喉頭がんによる喉頭摘出などは声を失うことにつながる。泉教授は地方独立行政法人北海道立総合研究機構、電制コムテック(株)、北海道大学の研究者と連携して電気式人工喉頭の研究に参画。特許も取得した技術を使って、1998年に第一医科(株)から販売された世界初の抑揚付き電気式人工喉頭「ユアトーン」=右下画像=を開発してきた。

 

 

その後、音声が人工的で不自然という課題解決に向けて改良を続け、人間の音声に含まれる微妙な「揺らぎ」が自然性の向上につながるとの研究成果から具体的な仕組みを考案。今年1月からは操作が簡単な「標準型S―2モデル」と声の高低を変更できる「高機能型G―2モデル」が販売されている。
 

 

ユアトーンは声帯の代わりに振動音を作り出し、喉元に当て、口を動かすとその音声を発する仕組み。現行の高機能型はスライド式スイッチを動かすことで抑揚をつけられ、同音異義語でも区別して発声でき、語尾で疑問形を表現することも可能になっている。泉教授は、「喉頭を摘出した人だけでなく、気管切開や麻痺、ALS、筋ジストロフィーなどで話せない人にとっての選択肢の一つになれば」と語った。

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