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2020年6月1日号
【医学部】大友助教らナノシートを活用
神経細胞培養技術を提案

医学部医学科基礎医学系分子生命科学の大友麻子助教と中川草講師、上田真保子奨励研究員(いずれもマイクロ・ナノ研究開発センター兼務)らが、溝加工を施した高分子超薄膜を使って神経細胞を培養する新たな手法を提案。その成果をまとめた論文が、学術雑誌『Scientific Reports』印刷版に掲載された。

アルツハイマー病やパーキンソン病といった神経変性疾患の患者は年々増えている一方、効果的な治療法が見つかっていないのが現状。疾病メカニズムの解明や薬剤開発には人工培養した神経細胞が用いられているが、実験ごとに細胞の状態がばらつきやすく、均一な条件を整えたり、薬剤の作用を定量的に測定したりすることが難しい場合があった。

大友助教らは、工学部の岡村陽介教授(同)らによって開発されたポリ乳酸製のナノシートに、立体的な溝加工を施したものと、加工しなかったものを細胞基材として使い、マウスの大脳新皮質由来の神経細胞を培養。細胞形態と遺伝子発現を解析した結果、溝加工を施したシートでは神経突起の進展方向が一定に制御されるだけでなく、シナプスの形成にかかわる遺伝子群の発現が早まることを明らかにした。

大友助教と上田研究員らは、「我々が開発したナノシートが、神経細胞の培養基材として優れていることが示され、実験の再現性向上にも貢献できると期待している。神経細胞は、周囲をさまざまな細胞に取り囲まれた立体的な環境で生存しています。ナノシートやマイクロデバイス技術を組み合わせて、それらの環境を再現したい」と話している。