News:ひと
2020年9月1日号
日本機械学会で2年連続受賞
川本裕樹さん(大学院総合理工学研究科3年)

大学院総合理工学研究科(博士課程)3年の川本裕樹さんがこのほど、日本機械学会エンジンシステム部門のベストプレゼンテーション賞を2年連続で受賞した。同部門が前年度に開いた講演会などで、優れた発表を行った35歳以下の会員に贈られるもの。2年続けて同一の研究者が受賞するのはきわめてまれだ。

川本さんは、「研究をアップデートし続けてきた成果が評価してもらえてとてもうれしい」と笑顔を見せる。

受賞したのは、気体や液体など異なる状態のものが混ざった物質の挙動をシミュレーションする混相流解析技術に関する研究。工学部動力機械工学科の高橋俊准教授の指導のもと、エンジンの駆動中に内部で起きるエンジンオイルの流れを高精度でシミュレーションすることに成功し、流れている場所と流量を定量的に観察できるようにした。

この研究に出会ったのは、高橋准教授から「この研究に取り組まないか」と持ちかけられたのがきっかけだった。「先生からは、“難しい方程式を使うので無理かもしれない”とも言われていました。難しいならやりがいもあると思って始めたのですが、想像以上でした。核になるナビオストーク方程式に慣れるだけで2カ月。こつこつと積み上げ、5年かけてようやくここまできました」と振り返る。

複数の物質が混ざった状態をシミュレーションできる川本さんの手法は応用範囲も広く、医療機関や食品メーカーなどとの共同研究にもつながっている。「コンピュータの性能が向上し、シミュレーション分野では不可能とされてきたアプローチに挑めるようになっています。より複雑な動きを解析できるようにし、シンプルなモデルも作って、ものづくりに貢献したい」

 
(写真)川本さんの研究は、エンジン内部の油の動きを可視化する共同研究プロジェクトの一環。学内では、高橋准教授のほか、畔津昭彦教授、落合成行教授らが参画。海外の大学や企業などとも連携している