ひと
2023/12/0110月26日のプロ野球ドラフト会議で、菅生高校硬式野球部の日當直喜選手（3年）が東北楽天ゴールデンイーグルスから3位で、付属熊本星翔高校野球部の百﨑蒼生選手（同）が阪神タイガースから4位で指名を受けた。プロの世界に進む2選手を紹介する。
家族や監督に恩返しを 菅生高 日當直喜選手（3年）
指名の瞬間、家族やチームメートと
喜びを爆発させた
「気持ちを前面に出した唯一無二のピッチングを見せたい。得意のフォークボールで打者をねじ伏せます」
チームメートや家族に囲まれて指名を待った日當選手。楽天3位で名前が呼ばれると立ち上がり、仲間たちと抱き合って“野球を始めた保育園年長からの”夢の実現を喜んだ。
「7人兄弟の5番目。兄と姉が2人ずつに、2人の妹……家族にはたくさん迷惑をかけてきました。ここまで来られたのは家族の支えのおかげです」と話す。
生まれつき耳の形成が不完全で、通常よりも耳が小さい小耳症を抱えてきた。「苦しいこともあったけれど、諦めなければ夢はかなうことを証明できた」
自身も中日ドラゴンズに在籍した若林弘泰監督（菅生高教諭）は、「マウンドで不安な顔を見せない気持ちの強さがある。プロの狭いストライクゾーンとクイックモーションに対応できれば」と期待を寄せる。日當選手も、「いつかは若林先生を超えて、恩返ししたい」と意気込んでいる。
仲間に支えられ成長 熊本星翔高 百﨑蒼生選手（3年）
チームメートが胴上げで阪神からの指名を祝福
熊本星翔高の体育館に、阪神の応援歌『六甲おろし』の大合唱が響く――記者会見を終え、チームメートに胴上げされた百﨑選手は、「やっと指名された実感がわいてきました。彼らは一生の友達。最高です」とはにかんだ。
2年時に付属相模高校から熊本星翔高に転校し、最後の夏は1番・遊撃手としてチームを5年ぶりの全国高校選手権大会出場に導いた。高校通算39本塁打の長打も光る右打者は、「野仲義高監督（熊本星翔高教諭）から"右膝の内側に目があると思って打て"とアドバイスをもらって打撃がよくなった」と話す。「積極的な打撃、選球眼、チームに流れを引き寄せるのが持ち味。守備はもっと練習して、1年目から試合に出られるように頑張りたい」と前を見据えた。
野仲監督は、「目標に向かって貪欲に突き進む、気持ちの強い選手。百﨑に引っ張られるようにチームが成長し、互いに高め合っていきました」と目を細める。「息の長い選手になってほしい」と教え子の活躍を願った。
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