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2021年5月1日号
10年ぶり3度目の選抜大会制覇
【相模高野球部】強固な守備で駆け上がる

付属相模高校野球部が、3月19日から4月1日まで兵庫県・阪神甲子園球場で開かれた選抜高校大会で、10年ぶり3度目の優勝を果たした。

1回戦で付属甲府高校との同門対決を3―1で制すと、その後もエースの石田隼都選手(3年)を軸にした豊富な投手陣と強固な守備を武器に順調に勝ち上がった。決勝では、明豊高校(大分)と対戦。2―2で迎えた9回裏1死満塁から、小島大河選手(3年)が遊撃強襲打を放ち、頂点に立った。

優勝インタビューで門馬敬治監督(相模高教諭)は、「最後の最後までしぶとく、執念を持って戦いました。なんとか崖っぷちのところで踏みとどまっていたことがサヨナラ勝ちでの優勝につながったと思います」と喜びをかみしめていた。

エース石田選手が45奪三振「春夏連覇を目指す」

今大会、29回1/3に登板し、45奪三振、無失点と快投したエース石田隼都選手(3年)を中心に、計5試合で許した失点はわずかに3。堅い守備を武器に頂点へと駆け上がった。

昨年10月の関東地区高校大会。準々決勝で付属甲府高校と対戦した相模高は9回1死まで1―0でリードしながらも、土壇場で2点を奪われ逆転サヨナラ負けを喫した。選抜大会出場が有力となるベスト4に入れず、不安を抱える選手たちに、門馬敬治監督(相模高教諭)は、「1%でも可能性を信じよう。甲子園でリベンジを果たすんだ」と語りかけたという。

冬には「守備からリズムをつくる」べく、厳しい練習を重ねた。1月に選抜大会出場の吉報が届き、2月の組み合わせ抽選会では1回戦で甲府高との再戦が決まった。「勝利への執着心を持って全力を出しきろう」と一丸になった相模高ナインは延長11回の激闘の末、3―1で勝利。勢いに乗り、2回戦は1―0で勝ち上がった。

準々決勝の福岡大学附属大濠高校戦を前に、遊撃手で守備の要である大塚瑠晏主将(3年)が急性胃腸炎で入院し、チームを離れた。大黒柱を失うも、エースの石田選手が窮地を救う。2回戦までは、試合の後半からマウンドに上がってきたエースはこの日が初先発。「秋季大会で一球の重みを痛感した。投げ込みを重ね、ストレートの質が上がり、空振りが奪えるようになった」と語るように、9回を投げきり14奪三振、無失点でチームを勝利に導いた。

準決勝の天理高校戦でも石田選手は15三振を奪う快投で、完封勝利。決勝では、強力打線の明豊高校(大分)と対戦した。1回に先発の石川永稀選手(同)が先制を許すなど、再三のピンチを背負うも、外野からの好返球や内野陣の連係プレーなど鍛え上げてきた守備で相手に流れを渡さない。同点に追いついた直後の6回途中、石田選手がマウンドに上がると徐々に流れは相模高に。7、8回も得点圏にランナーを進め、9回裏には1死満塁の好機に小島大河選手(同)が遊撃強襲安打を放ち、優勝を決めた。喜びを爆発させる選手たちの姿に門馬監督は、「昨秋サヨナラ負けでスタートしたチーム。奇しくもサヨナラで頂点に立てたことこそ、選手たちが懸命に努力してきた証し」と語った。

昨年度は新型コロナウイルス感染症の拡大を受け中止となった選抜大会。「2年分の甲子園」で頂点に立った選手たちは春夏連覇に向けて再スタートを切っている。石田選手は、「トレーニングを重ねて安定感を出し、スタミナも強化したい」と意欲を見せていた。

アルプスから後押し新型コロナ対策も徹底

新型コロナ禍の中での開催となった今大会の観客席では、声を出しての応援が禁止され、手指の消毒や座席の間隔をあけるなど感染防止対策が徹底された。相模高では、移動中の感染リスクを下げるべく、2回戦以降、野球部や応援委員会の生徒を甲子園球場付近の宿舎に滞在させ、各部屋の人数も最小限に抑えた。

応援委員会の部長でチアリーダーの曽我友里絵さん(3年)は、「アルプスに立てることに心から感謝しています。声援は送れませんが、選手たちを後押ししたい」と笑顔で保護者や卒業生ら応援団をまとめた。

決勝の一塁側アルプススタンドには約420人が駆けつけた。歓喜の瞬間を見守った同委員会団長の村上胡桃さん(3年)は、「選手たちに感謝の思いでいっぱいです。応援の練習を重ね、夏にまたこの場所に立ちたい」と話していた。

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(写真中)決勝でも流れを呼び込む好投を見せた石田選手
(写真下)決勝では約420人の大応援団が集まった