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2021年10月1日号
【工学部】自動車内燃機関の効率化を追求
先導研究プログラムに採択

工学部機械工学科の落合成行教授と畔津昭彦教授、動力機械工学科の高橋俊准教授らの研究グループがこのほど、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による「先導研究プログラム」に採択された。自動車用内燃機関技術研究組合(AICE)や国内の大学とともに、自動車の内燃機関やさまざまな機械システムのさらなる効率化を追求していく。

落合教授らの研究ループではこれまでにも、さまざまな研究成果を残してきた。落合教授が取り組む流体を利用した表面テクノロジーの摩擦コントロール技術や、畔津教授が開発した機械内部の油の流れを可視化する「フォトクロミズム」、高橋准教授による複数の物質の流れをシミュレーションする「混相流解析法」を融合させ、自動車エンジン内部のさまざまな現象を解析。AICEや国内外の大学と連携し、自動車エンジンの心臓部にあたるピストンリングが稼働する中で、その内部における潤滑油と燃料の流れ方を世界で初めて明らかにした。

今回採択を受けたNEDOの「先導研究プログラム」は、飛躍的なエネルギー効率の向上や「脱炭素社会」の実現に資する有望な技術や新産業の創出が期待される研究が採択されるもの。落合教授らは、「ゼロエミッションに向けた内燃機関の革新的摩擦損失低減技術」の開発を目指す。

この研究は、「マイクロバブル」と呼ばれる小さな気泡が潤滑油に含まれた際における「流れ」の様子や潤滑に及ぼす影響の解明を目指す。潤滑油が流れる際にマイクロバブルがその流れをコントロールし、エンジン内部の摩擦損失を低減することを見据えている。「本来、潤滑油内に気泡が入ると、構造内部を傷つけてしまうなどの恐れがあるため避けられてきた」と落合教授。「ただ、気泡の直径を数十マイクロメートル以下のマイクロバブルとなるようにコントロールし、上手に利用することができれば、内燃機関やさまざまな機械システムのさらなる効率化を追求する技術につながると考えています」と語った。

畔津教授は、「世界でも類を見ない新技術であり、実用化につなげられれば社会の脱炭素化を推進できる。非常に難しいテーマではありますが、大学院生、学生とも協力し、成果を出したい」と話し、高橋准教授は、「3人の研究者が取り組む最先端技術を駆使し、社会貢献につなげていく」と抱負を語っている。

 
(写真)(左から)畔津教授、落合教授、高橋准教授