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2021年10月1日号
【湘南】原子炉内のガスの動きを解析
研究成果を世界に発信

大学院工学研究科応用理化学専攻2年の内田真緒さん(指導教員=工学部原子力工学科・堺公明教授)がまとめた論文がこのほど、日本機械学会が発行する英文ジャーナル『Mechanical Engineering Journal』に掲載された。日本機械学会は、技術社会の基幹である機械関連技術にかかわる研究者らで構成されており、講演発表会や講習会、国際会議などを通して、社会への技術成果還元を目的に活動している。

今回の論文は、「ナトリウム冷却高速炉の自由液面からのガス巻き込み現象分析」についてまとめたもの。ナトリウム冷却高速炉は、炉内の冷却に水ではなく沸点の高いナトリウムを使用することで、経済性や安全性をより高めた原子炉。しかし、ナトリウムの液面が乱れると炉内に入れられたガスを巻き込み、気泡ができることがあり、その気泡が炉心を通過すると原子炉の出力に影響する場合があるため、ガス巻き込み現象発生の抑制や設計評価手法の構築が国際的にも求められてきた。内田さんらは、研究室にある回流水槽を用いて現象の計測や評価手法を解析し、その成果を英文でまとめた。

オープンキャンパスで原子力工学に興味を持ったという内田さんは、原子力工学科3年の夏からこの研究を始めた。大学院進学後には昨年度の国際会議での発表や、ジャーナル投稿にもチャレンジしてきた。

「今回の論文はこれまでの研究成果をまとめたもので、世界中の多くの研究者に読んでいただく機会ができたことをとてもうれしく思います」と笑顔で語る。「解析データや実験データなどは先輩方から引き継いだものも多く、関係する方々にあらためて感謝しています」と話す。

指導にあたる堺教授は、「内田さんの熱心でひた向きな研究姿勢が今回の成果につながったと思います。今後も一歩一歩前進しながら研究活動に取り組んでほしい」と語っている。

 
(写真)「研究室の仲間に感謝したい」と笑顔を見せた