研究
2020/04/01大学発の技術が商品化
マイクロ・ナノ研究開発センターの喜多理王所長(理学部教授)らが中心となって設立した大学発ベンチャー・株式会社チューンがこのほど、顕微鏡観察用ナノシート「Myell(マイエル)TM」の本格販売を開始した。2月には販売委託先であるフナコシ株式会社のホームページに掲載され、商品の出荷も始まった。
顕微鏡で脳神経細胞や生体組織、浮遊細胞などを観察する際にはこれまで、試料をカバーガラスで挟む方法が一般的に用いられてきた。しかしこの方法では時間とともに水分が抜けてしまい、試料の変形や乾燥が免れない欠点があった。Myellはその課題を解決。カバーガラスの上に置いた試料をラッピングするだけで乾燥や変形、ブレを防ぎ、長時間観察したり、高精細画像を取得したりできるようになった。
Myellは、同センターに所属する岡村陽介教授(工学部)が研究している「高分子超薄膜」製造技術が基礎になっている。同研究室では、高分子超薄膜を100ナノメートル以下の厚さに加工すると、接着剤を使わなくても人の肌やガラス面に密着する性質を持つことを発見。学内外の研究者の協力のもと、張宏特定研究員や学生とともに、顕微鏡で試料を観察する際のラッピングシートとして活用する方法や観察技術、商品化に向けた製造技術の研究を進めている。
今回はこれまでの研究成果をもとに、3種類のナノシートが商品化された。このうち「Myell S」は、ポリ乳酸製のシートでブレを防止。さらに撥水・撥油性を備え、乾燥防止効果を高めたのがCYTOP製の「Myell D」で、極小の穴をあけて、薬剤などの透過性能を持たせたのが「Myell P」だ。どの商品も使い方はきわめてシンプルで、カバーガラスの上に試料を乗せ、「Myell」を上から押し当てるだけでラッピングできる。
喜多所長は、「東海大発の技術を社会に還元できるのは所員にとって大きな喜び。将来は、商品の収益をもとに、大学院進学や海外留学を志す若者を支援する奨学基金を設立したい。センター発の技術を社会に還元できるよう、今後も医理工連携研究をさらに加速させていく」と展望を語った。
(写真)「Myell」はいずれも直径27ミリメートル。試料の上にシートを押し当てるだけでラッピングできる。商品の詳細は、こちらを参照
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