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研究

2014/01/01

熊本でアジア農業シンポジウムを開催

六次産業化で自立できる農業を

熊本校舎で昨年12月7日、「第17回アジア農業シンポジウム」が開かれた。学校法人東海大学がアジア諸国の大学・研究機関と協力して1982年から実施してきたもの。今回は、アジア諸国における「自立できる農業の構築」を目的に、日本とタイの研究者らが講演やポスター発表を行った。また8日には熊本県内で野外調査(エクスカーション)も実施された。

今回のテーマは「アジア諸国における六次産業化の展望と課題―自立できる農業を目指して―」。一次産業である農業の経営的な骨組みを堅固にするため、農業者が加工や流通にもかかわる六次産業化が重要との考えに基づき設定された。

初めに、タイ・メジョー大学農業生産学部のプラウィット・プターノン学部長が「アジアの持続的農業における『足るを知る経済』と六次産業化への課題」をテーマに、また熊本県農業研究センターの麻生秀則所長が「熊本の農業から『明日の農業』を考える」をテーマに基調講演した。

一般口頭発表では、基盤工学部長でシンポジウムの統括責任者を務める中嶋卓雄学長補佐が、校舎内で研究しているLEDライトによる水耕栽培を紹介。経営学部の新田時也准教授や、農学部の永井竜児准教授も登壇し、研究成果を報告した。最後に、シンポジウム実行委員長の荒木朋洋教授(農学研究科・生物科学研究科長)が、「今年度、東海大学は新たな教育と研究活動を開始し、熊本校舎に2つの新学部が設置されました。本学が、農業経営と独自産業をアジアの国々で推進する一助になれると信じています」と語った。

翌8日のエクスカーションでは、経営学部の能津和雄准教授のコーディネートとガイドのもと、ジャージー牛乳の直売所や低温殺菌処理施設などを見学。各施設の担当者らと意見を交わした=左写真。

(写真上)プラウィット・プターノン学部長の基調講演に、多くの参加者が熱心に耳を傾けた
(写真下)熊本星翔高の生徒が初参加、研究成果をポスター発表

 
熊本星翔高の生徒が初参加
研究成果をポスター発表


「これからの農業に必要な技術や戦略」をテーマに行われた一般ポスター発表。熊本・阿蘇両校舎の学生や教職員らに交ざり、付属熊熊本星翔高校の上田周平さん(3年)も同校から初めて参加した。サイエンスコースに所属する上田さんは、課題研究で取り組んでいる「アンチエイジングを目指したAGE生成物の特定とAGEs生成阻害食品の探索」の成果を発表した。

「さまざまなアミノ酸と糖を合わせて、老化の原因になるメイラード反応を最も示す組み合わせを調べました。その結果でわかったリジン(糖)とリボース(アミノ酸)を動物加工と植物加工の食品に添加し、抑制する食品を探しました」阿蘇校舎まで足を運び、永井准教授のアドバイスも受けながら実験に取り組んだ。その結果、一般的にメイラード反応を抑制するといわれているトマトだけでなく、ニンジンにもその効果が認められたという。「抑制物質の候補としてニンジンのβカロテンやトマトのリコピンなどが考えられる。今後も実験を続けていきたい」

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