アンケート
2024/06/016月5日は環境保全への関心を高める「環境の日」。東海大学は2021年から、環境省などが主導する「カーボンニュートラル達成に貢献する大学等コアリション」に参画するなど、地球温暖化防止や環境保全につながる「カーボンニュートラル」を推進している。東海生たちはどのような意識を持っているのだろうか。200人に聞いた。 (構成・編集部)
「カーボンニュートラルという言葉を知っていますか?」の問いには、「聞いたことはあるが意味はよく分からない」が102人で半数を超え、「意味も言葉も知っている」が64人、「知らない」が34人で続いた。
太陽光エネルギーの利活用に関する研究が専門で、教職員によるカーボンニュートラルプロジェクトの代表を務める木村英樹学長補佐(工学部教授)は、「地球温暖化を抑止するためには、二酸化炭素(CO2)の増加を食い止めることが必要です。しかし、CO2の排出量をゼロにすることは難しいので、排出量と吸収量を同一にする『カーボンニュートラル』が求められています」と話す。
「カーボンニュートラル実現のために何か行動していますか?」の質問に「はい」と答えた学生は64人。具体的な行動として、「マイバッグ・マイボトルを使う」が48人、「ゴミの分別・削減」が45人で続いた。取り組んだきっかけを聞くと、「小・中学校、高校の授業で習ったから」が48人で、学校生活を通して環境問題を意識するようになった学生が一定数いると分かった。「行動していない」と答えた136人のうち、86人が「何をすればいいのか分からない」と回答。関心を持っていてもなかなか行動に移せない学生もいるようだ。
一方で、「次世代のためにも、できることを調べて実行していくことが大切」(国際学部1年・女子)との声も聞かれる。環境の日をきっかけに、“自分にできること”を考えてみよう!
▶どのような活動がどのくらい効果的なのか、数値で表されていると分かりやすい(生物学部3年・女子)
▶ カーボンニュートラルに取り組まなかったらどうなるか、を脅しのように伝えるのが効果的なのでは(文化社会学部4年・女子)
▶ 意味も単語も知らない人がいるので、もっと知る機会を増やすべき(文理融合学部1年)
▶「 使い捨て」のものの使用を減らす。目先のことだけでなく、さらにその先を見据えて行動する(海洋学部2年・女子)
▶適切な量の食べ物を買ったり電気を節約したりと、日常生活の些細な行動で貢献できる。何気なくやっていたことが、CO₂の削減につながる(建築都市学部3年・女子)
▶ 再生可能エネルギーを利活用するべき(国際文化学部4年・男子)
▶ 以前、湘南キャンパスでやっていたウォータースタンドの取り組みはよかった(体育学部2年・女子)
▶ 日常生活の便利さとカーボンニュートラルに貢献できる取り組み、どちらを優先するか考えると便利さを選択してしまう(医学部4年・女子)
人類共通の目標達成に向けて個人でできることから始めよう
カーボンニュートラルは、地球温暖化による環境への影響を軽減させるために、できるだけ短時間に達成しなければならないので、「人類共通の目標」として考えられています。
教職員による「カーボンニュートラルプロジェクト」では、各キャンパスの照明LED化や高効率空調機の導入、断熱性の高い材料を使った建築物の建設検討を進めています。最終的には、建物のエネルギー消費を従来の半分以下に抑える「ZEB Ready」を目指そうと検討を重ねています。
本学ではチャレンジプロジェクト「Global Innovation Project」や「東海大学ソーラーカーチーム」の学生らや、教養学部人間環境学科、2022年度に開設した環境サステナビリティ研究所などで地球環境保全に関する取り組みを展開しています。昨年度には学内外に情報を発信するWEBサイト「カーボンニュートラル&SDGsサイト」も開設しました。カーボンニュートラルプロジェクトは教職員のみで構成していますが、今後は同じ志を持つ学生と共に新しいプロジェクトを立ち上げたいと考えています。
今回のアンケートで、「個人の努力に依存するようでは目標達成が厳しい」(国際文化学部3年・男子)といった意見も見られましたが、カーボンニュートラルは個人が何もせずとも達成できるレベルの目標ではありません。直接的、間接的に効果が出るものなどがありますが、このアンケートの設問がヒントになっていて、個人でできることはたくさんあります。実際にどのようなメカニズムでCO2が排出されていて、吸収量が大きくなるとどのようなことが起きるのか、まずは一人ひとりが思いを巡らせてほしいと願っています。
湘南キャンパス1号館 学生の研究成果で省エネ実現
工学部建築学科を2022年度に卒業した3人の研究成果を生かし、今年3月に湘南キャンパス1号館の南側にある20教室の照明がLEDに変更された。窓から入る日の光の強さによって照明の明るさを自動で調整する調光センサーも設置され、4月からの運用で約77%の省エネ効果が確認されている。
下村あやめさん(三建設備工業株式会社)、鈴木豪起さん(三井建設工業株式会社)、秦海瑶さん(坪井工業株式会社)は、山川智教授(建築都市学部建築学科)の研究室で同キャンパスのゼロカーボン化に向けて研究。1号館の図面やデータを基に計算し、実際に教室を訪れて照明器具の確認といった調査も重ねてきた。その結果、蛍光灯からLEDに変更することで消費電力を約44%削減できると算出。さらに、調光センサーで縦列ごとに照明の明るさを調整し、机上面の明るさ(照度500lx)をキープした場合の省エネ効果も導き出した。
調光センサーを全教室に導入した場合、LED化と合わせて1年間で約70%削減できると結論づけ、卒業前の23年2月に学長室施設設備担当に改善策を提案し、実現に至った。4月にキャンパスを訪れた3人は、「研究成果が実際に採用されたと聞き、本当に驚きました。省エネの効果も出ていると分かってうれしい」と話していた。
【学生アンケート調査】●調査期間:2024年4月26日~5月20日●調査対象:東海大学在学生(湘南キャンパス:142人、品川キャンパス8人、静岡キャンパス18人、伊勢原ャンパス14人、熊本キャンパス8人、阿蘇くまもと臨空キャンパス2人、札幌キャンパス人●調査回答数:200人●調査方法:東海大学新聞WEB版のアンケートフォームから回答を得る
2024/11/01
Q.あなたの輝いている瞬間は?
2024/09/01
東海大生のアルバイト事情
2024/05/01
教えて先輩!キャンパスライフここがポイント★
2024/04/01
どんな“配慮”が必要?
2024/03/01
健康維持、ダイエット、運動不足解消
2024/02/01
勉強、動画視聴から日常生活まで
2023/09/01
関東大震災から100年 各地で相次ぐ災害に対策は?
2023/08/01
旅行、花火大会、帰省……
2023/06/01
勉強、趣味、睡眠……“隙間時間”をどう使う?
2023/03/01
教えて!推し活☆
2023/01/01
進む出入国制限の緩和
2022/09/01
「草」「ぴえん」「きゅんです」
2022/08/01
どれくらいの人が飼っている?
2022/06/01
週1回以上料理する学生が過半数
2022/04/01
キャンパスライフここがポイント
2022/03/01
教えて!あなたの自慢の友人
2021/11/01
どこに満足? 不満足?
2021/09/01
Q.あなたの地元の「ソウルフード」は?
2021/08/01
「SDGs」から考えよう
2021/07/01
ネットショッピングの利用者が増加
2021/06/01
資格・検定に9割が興味
2021/05/01
コロナ禍の遠隔授業でどう対応してきた?
2021/04/01
2020年度を振り返り遠隔授業はこう受ける!
2021/03/01
東日本大震災から10年
2021/02/01
Q.今年の目標は?
2020/12/01
Q.おすすめの一冊を教えて!
2020/10/01
SNSとどう付き合ってる?
2020/09/01
学生から見た遠隔授業
2020/08/01
生活習慣、乱れてない?
2020/07/01
新型コロナウイルス感染症アンケート③
2020/06/01
新型コロナウイルス感染症アンケート②
2020/05/01
新型コロナウイルス感染症アンケート①
2020/04/01
電子マネー使っていますか?
2020/04/01
新型コロナ感染拡大受け緊急アンケート
2020/03/01
あなたの趣味は何ですか?
2020/01/01
東海大駅伝チームを応援しよう
2019/12/01
【特別座談会 】内定後の4年生に聞く
2019/11/01
大学のICT環境使ってる?
2019/09/01
禁煙化が進むキャンパス
2019/08/01
ラグビーW杯への関心度は?
2019/07/01
マナーを意識してますか?
2019/06/01
思わぬ事故をどう防ぐ?
2019/05/01
「平成」から「令和」へ
2019/04/01
キャンパスで運動しよう
2019/01/01
東海大の奨学金を活用しよう
2018/12/01
ネット通販、使ってる?
2018/11/01
自分なりの利用方法を考えよう
2018/10/01
この夏の思い出を教えて!
2018/09/01
東海大生の“ケンミンショー”
2018/08/01
大学生活の印象的な失敗談