スポーツ
2021/06/01丸山選手が20得点の活躍
関東大学春季大会が4月末に開幕し、湘南校舎のラグビーフットボール部は5月9日に早稲田大学との初戦を迎えた。今年度は新型コロナウイルス感染症の影響により大会規模が縮小。参加する18大学を3グループに分け、各校3試合を戦う。東海大は昨年度の関東大学リーグ戦優勝校として臨み、新チーム初の公式戦で奮闘した。
昨年度は司令塔であるSOのポジションを、武藤ゆらぎ選手(体育学部2年)と丸山凜太朗選手(同4年)が前後半で入れ替わっていたが、早大戦では丸山選手がCTBで先発出場。前半5分に武藤選手からパスを受けた丸山選手のトライで先制すると、その後も丸山選手が“第二の司令塔”として攻撃の起点となり、東海大が得点を重ねていく。
また、FWの第3列を担うFLのジョーンズリチャード剛主将(文化社会学部4年)とノア・トビオ選手(体育学部4年)、NO・8アフ・オフィナ選手(同2年)が攻守に躍動。密集でのボール争奪戦で存在感を示し、試合は48―26と快勝した。トライとコンバージョンで20得点を挙げた丸山選手は、「早大の攻撃力に苦しむ場面もあったが、チームのために力を出しきれた」と振り返る。
全国決勝を意識しチーム一丸で戦い抜く
「昨年度のレギュラーが多く残る今年度は、春からレベルの高い練習ができている」と木村季由監督(体育学部教授)。昨年度の全国高校大会で活躍したルーキーも各校から入部しており、戦力の底上げも期待できる。
170人をこえる大所帯をまとめるのは、木村監督が「誰よりも目標に向かって努力し、チームを律してくれる」と評するジョーンズ主将だ。「来年1月の全国大学選手権
大会決勝の日を常に意識しながら練習している。ほかの選手からも“勝ちたい”という気持ちを強く感じるので、一丸となって戦い抜きたい」と前を見据えた。
なお、5月23日に予定されていた2戦目の明治大学戦は、5月13日に湘南校舎内で複数人の新型コロナ感染者が確認され部活動が停止していたことから、6月6日に延期。6月20日に控えていた慶應義塾大学戦は、4月に同大ラグビー部内で複数人の感染者が確認された後、活動再開の見通しが立っていないことから中止となった。
【Zoom In】SEAGALES Jr.が発足県西地区を盛り上げる
神奈川県の厚木市、平塚市、秦野市、小田原市のラグビースクールを統合した「西湘ラグビースクール」がこの春に発足。湘南校舎ラグビーフットボール部のBKコーチを務める津田翔太氏(体育学部卒)が監督に就任した。
ラグビー部の木村季由監督(体育学部教授)は、「神奈川県は小学生のスクール、高校、大学の部活動も盛んだが、ラグビー部のある中学校が少なく、ジュニア世代に競技から離れてしまうことが多い。指導者や練習場所も不足していると聞き、数年前から大学が軸となってサポートする方法を考えていた」と話す。コロナ禍で当初の予定より1年遅れたものの、ラグビー部と同部の支援組織である「TOKAIRUGBY CLUB」、4つのスクールが連携して4月に開校した。
ラグビー部の愛称「SEAGALES( シーゲイルズ)」から、スクールの愛称は「SEAGALES Jr.」に決定。中学生47人が在籍し、津田監督と各地域のスタッフが指導にあたっている。大学卒業後はトップリーグのリコーで活躍した津田監督は、「これまでの経験を子どもたちに伝えていくことが自分の役割。勝ち負けよりも、まずは体を動かす楽しさや競技の魅力を知ってもらいたい」と、練習中は誰よりも声を出して子どもたちを鼓舞する。
木村監督は、「この取り組みを機に、子どもたちが高校、大学、社会人と競技を続けてくれたらうれしい。大学と地域が連携して県西地区を盛り上げていきたい」と期待を寄せている。
(写真上から)
▼巧みなパススキルとキックで勝利に貢献した丸山選手
▼初の公式戦で存在感を示したオフィナ選手
▼津田監督(左から2人目)がチームを導く
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