特集:東海大生200人に聞きました
2021年8月1日号
「SDGs」から考えよう
日々の生活が世界を変える!?

「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」略して「SDGs」。2030年までに、持続可能でよりよい世界を目指すために15年の国連サミットで採択された。昨今、メディアなどで取り上げられることも多い中、東海大生はどれくらい関心を持っているのだろう? 100人に聞いた。 (構成・編集部)

「SDGsを知っていますか?」の問いに対し、56人が「知っていてある程度内容を説明できる」と回答。「聞いたことはあるが詳しく説明できない」が33人、「知らない」が11人と、約9割の学生がSDGsを知っていることがわかった。きっかけは「大学の授業」35人、「高校の授業」21人と、学校の授業を機に関心を持つようになった学生が多い結果となった。

SDGsの「17の目標のうち関心のあるものは?」という問いに対しては、「海の豊かさを守ろう」が24人でトップに。「授業でマイクロプラスチックの問題について調べたから」(医学部2年・女子)、「海洋生物が好き」(海洋学部3年・男子)、「家の近くに海があるから」(文化社会学部3年・女子)など、生活に身近なテーマであることが学生たちの関心を引いたようだ。

SDGsには海洋保全のほかにも、ジェンダー平等や福祉、貧困など多岐にわたるテーマの目標が設定されている。学生たちが具体的に取り組んでいることを聞くと、「ゴミ拾いのボランティアに参加」(観光学部3年・女子)、「マイバッグを使う」(情報通信学部2年・男子)、「フェアトレード商品を購入する」(工学部4年・男子)といった声が聞かれた。

目標達成を目指す30年まで残り約9年。学生からは、「東海大には海外からの留学生も多いので、多様性を理解し不平等をなくしたい」(情報通信学部4年・女子)と意気込む声や、「チャレンジプロジェクトやサークルの活動を通じて取り組んでいくといいのでは」(生物学部4年・男子)と日々の学生生活に目標をひもづけ、できることから取り組むなど前向きな意見が聞かれた。

Q. SDGsに関して大学にしてほしいこと・あなたがやってみたいことを教えてください
▼節電や再生可能エネルギーの使用など、身近な取り組みや成果を大学内でアピールすれば意識する学生が増えるかもしれない(情報理工学部3年・女子)
▼「 体力発電」という自転車型の筋力トレーニング装置があり、運動部が多い東海大で導入すれば電力の削減やエコにつながると思う(健康学部4年・女子)
▼ 賞味期限切れショップの建設やキャッシュレス募金(文化社会学部2年・女子)
▼ クリーンなエネルギーや住み続けられるまちづくり、技術の平等利用の実現などに携わりたい(工学部4年・男子)
▼ 海外の学生と交流し、SDGsに対する意識についての意見交換(観光学部3年・女子)
▼ 環境に配慮した食品の開発(農学部3年・男子)
▼ 不平等をなくすために、外国の文化などを学ぶ授業をしてほしい(情報通信学部4年・女子)
▼ お金のない学生への支援(政治経済学部2年・男子)
▼ SDGsそのものについて学ぶ授業(国際文化学部2年・女子)
▼ 多くの人に興味を持ってもらえるよう、大学の図書館に特設コーナーをつくってほしい(文化社会学部1年・女子)
▼ タバコのポイ捨てを減らす取り組み(健康学部3年・女子)
▼ オープンソースソフトウエア・ハードウエアの開発に参加してみたい(工学部4年・男子)
▼ ジェンダーフリートイレの設置(文化社会学部3年・男子)


実は誰にでも身近な課題
問題意識を持つきっかけに


スチューデントアチーブメントセンター
二ノ宮リム さち准教授

本学では2018年度から、社会に参画する力を育むパブリック・アチーブメント(PA)型教育を全学的に導入しています。初年次必修科目の一つ「地域理解」では地域の課題を考える入り口としてSDGsを扱うことが多く、学生がSDGsを知ったきっかけの1位として挙げた「大学の授業」につながっていると考えられます。

私が担当する授業でも、履修学生を対象に「関心がある目標」を聞いているのですが、今回のアンケートで2位となった「ジェンダー平等を実現しよう」は、ここ数年で急激に関心度が高まっている目標です。各種メディアでLGBTQ(性的マイノリティを表す総称の一つ)について見たり読んだりしたことで、問題意識を持ったという学生が増えています。

ほかの目標も、内容がわかりづらいものもありますが、実はそれぞれが日々の生活と密接につながっています。「働きがいも経済成長も」はアルバイトや就職と深く関係していますし、「つくる責任 つかう責任」は、普段身につける衣服や食べるものなどがどこでどのように作られているのか、廃棄された後どうなるのかにかかわります。

一方で、SDGsを達成すれば社会の課題がすべてなくなるというわけでもありません。17の目標以外にも解決すべき課題はあり、SDGsは社会を変える必要性を広く共有する一つのきっかけにすぎません。自分はどんな社会を実現したいのか、自分の周りにどんな問題があり解決するためにはどうすればいいのか、SDGsを通じて考えてみませんか?

 
【学生アンケート調査】●調査期間:2021年6月30日〜7月12日●調査対象者:東海大学在学生(湘南校舎:56人、代々木校舎:5人、高輪校舎:7人、清水校舎:12人、伊勢原校舎:9人、熊本校舎:6人、札幌校舎:5人)●調査回答数:100人●調査方法:東海大学新聞WEB版のアンケートフォームから回答を得る