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スポーツ

2011/09/01

密着!夏合宿――大学日本一へ勝負の夏

夏に流した汗の量が、勝敗を左右する─―。東海大学の各運動部がこの夏、各地で合宿を行っている。秋のシーズンインに向け、心身を鍛え、技術を磨く。初の大学日本一奪取を目指す、ラグビーフットボール部(湘南)とスキー部(札幌)の合宿の様子を追った。

湘南ラグビー部 悲願達成にトライ
聖地・菅平で熱戦繰り返す
「それがお前の100%か!?」「タイミングに注意して!」「プレーの意味を考えて、もう一度やってみよう」│標高1300メートルの菅平高原に屈強な男たちの声が響く。

基本的なパスやタックル、ランニングから、試合で発生する場面を想定した練習を繰り返す。ポジションごとの練習では、スクラムやサインプレーなど戦術を何度も確認する。「力を出し切るためには勇気が必要。甘さをなくすよう、追い込んでいく」。木村季由監督(体育学部准教授)は厳しい表情で語る。

ラグビーフットボール部の主力であるAチームの夏合宿は例年、8月の前半に北海道網走市で、後半に長野県上田市・菅平高原で行われる。今夏は8月22日から28日まで合宿を張った。夏の平均気温が19・6度と寒冷な菅平は“ラグビー合宿の聖地”と呼ばれ、全国の高校、大学、社会人チームが弱小、強豪問わず集う場所だ。どのチームも練習と試合を繰り返し、来るシーズン開幕に備える。

さらに負荷をかけ リーグ戦V5へ
東海大が所属する関東大学ラグビーリーグ戦1部は9月10日に開幕。初戦は昨季最下位の拓殖大学と対戦する。「リーグ戦は力が拮抗している。どこが相手でも油断できない」と木村監督。2007年から4連覇を果たし、史上2校目の5連覇を狙う東海大でも、油断はできない。

「今季は身体の小さい選手が多く、体力、身体、スピード、戦術と段階的に整備していかなくては勝てない。まだ過程としては半分。菅平でさらに負荷をかける」と木村監督。安井龍太主将(体育学部4年)は、「昨年に比べれば圧倒的な力はないが、その分、真面目に練習に取り組み、私生活から厳しく意識改革してきた」と言う。

菅平ではレギュラー争いも佳境に入る。1年生ながらWTBのレギュラー取りを狙う小原政佑選手(体育学部)は、「ここでアピールして、レギュラーを確定させたい」と意欲的だ。司令塔・SOのポジションを争う佐藤善仁選手(同4年)は「練習はきつい部分も多いけれど、自分に負けないというメンタル面が強化できている」と話す。選手たちにとって一番大きな目標は、「もちろん大学日本一」(安井主将)。昨年度、東海大は全国大学選手権の準決勝で苦杯をなめた。悲願達成へ、戦いはすでに始まっている。

札幌 スキー部 地獄のトレーニング 
体力と精神力を鍛え上げる
「ジャンプには瞬発力が不可欠ですが、アルペンではスピードと反射神経が求められる。そのため競技によって、それぞれ別のメニューを行っています」と相原博之監督(国際文化学部准教授)は語る。ジャンプとノルディック複合の選手は、例年夏の大会を転戦し、実戦を通して実力を磨く。クロスカントリーとアルペンチームは、8月と9月の合宿で基礎体力を鍛えている。

このうち選手から「地獄」として恐れられているのが、アルペンチームの合宿だ。今年は8月7日から11日まで小樽市朝里で行われ、23選手が参加した。メニューのメーンは、自転車を使ってのロードトレーニング。アップダウンの激しい山道を2日目に60キロ、3日目には130キロ走り、4日目はスプリントを行う。特に3日目は5時間以上走り続けねばならず、食事も自転車に乗ったまま。岡本洸司主将(国際文化学部4年)は、「体力と気力を振り絞らないとゴールできない。ものすごくつらいですが、試合のときに自分を信じられる精神力も磨くことができる」と語る。

アルペンチームでは9月にも同様の合宿を予定している。相原監督は、「今年は男女ともインカレでの団体優勝を目指しています。最高の結果を残せるよう、強い精神力と体力をしっかり鍛えてシーズンに臨みたい」と意気込んでいた。

秋季公式戦が開幕 競技場で応援しよう

9月に入り、各地でリーグ戦や全国大会が順次開幕。大学日本一を目指す運動部の熱い戦いに声援を送ろう! 詳細は各連盟のHPを参照。






 
(写真上から)
▽8月23日に行われた慶應義塾大学との練習試合で、Aチームは45─22で快勝した。「細かいプレーを大事に、一つひとつ上へと上がっていく」と安井主将
▽基礎練習を何度も繰り返し、精度を高めていく
▽気温30度を超える暑さの中、選手たちは仲間同士で励まし合いながらロードに挑む

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