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スポーツ

2014/09/01

全国高校選手権 史上初の4校同時出場

全国高校選手権大会が8月11日から25日まで、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開催された。1965年に東海大学第一高校が東海大勢として選手権に初出場して以来、史上最多となる4校が同時出場。付属甲府高校、付属望洋高校、付属相模高校は初戦敗退となったが、付属第四高校は1回戦で優勝候補の一角・九州国際大学付属高校を6―1で破った。2回戦では山形中央高校に延長の末に0―2で敗れたものの、超スローカーブを操るエース西嶋亮太選手(3年)が観客を沸かせた。努力を重ねて投球術を確立した西嶋選手と、初出場で大声援を送った望洋高の応援団を追った。

【第四高】努力重ねた小柄なエース 西嶋亮太選手(3年)  

168センチ、59キロ。第四高の小柄なエースが甲子園で躍動した。初戦の九国大付属高戦、西嶋選手は9回を投げ被安打5、奪三振12で1失点完投。打線も3回に4連打と犠飛、大河内航選手(3年)の三塁打などで4点を先制し援護した。

マウンドで笑顔を見せる余裕の投球――と思いきや、強打を誇る相手打線を前に、「体つきが高校生とは思えないほど大きくて、スイングも速い。正直、逃げ出したかった(笑)」と本音を漏らす。それでも、「いつもどおりの投球をしようと思った。初の全国大会は緊張する暇もないうちに終わってしまった」。153球の大熱投だった。

投手転向で全道V
小学1年生のときに4つ上の兄を追って少年野球チームに入り、内野を守った。投手転向は中学2年生のとき。けがで離脱したエースに代わり、春の全道大会を優勝に導いたのが転機だった。

兄の母校でもある第四高に進学。1年の春から登板したが、「打たれたくない」という負けん気の強さから常に全力投球で、「終盤につかまることも多かった」(西嶋選手)。2年時の夏は2番手で登板した南北海道大会2回戦で、延長10回サヨナラ負けを喫した。

「自分の投球を振り返ると、ワンパターンだなと。何か1球挟めれば……」。さまざまな球種を試した中でも投げやすかったのが、今大会で大注目を浴びた〝超スローカーブ〞。「1試合で投げるのは数えるほど」とわかってはいたが、外で練習できる秋の間に1日50球近く投げ込んだ。

縦、横のスライダー、チェンジアップ、球速の違う3種類のカーブ、最速140キロの直球も合わせると持ち球は7種類。そのほとんどは高校に入ってから独学で覚えた。「体が大きくないので力では勝てない。でもそれ以外は100%極めようと思った」。元捕手の大脇英徳監督(第四高教諭)に配球などの指導を仰ぎ、投球術を磨き上げた。

お手本になれる選手に
2回戦の山形中央高戦は、延長10回に4失策も絡んで0―2で惜敗した。試合翌々日から学校に戻り、「今までにないほど皆に声をかけてもらった。うれしい反面、もっと試合を見せたかった」と悔しさをにじませる。一方で、「仲間を信頼して打たせて取る。序盤は楽に投げて、終盤まで力を残せるようになった」と成長も感じている。


札幌地区予選から全9試合に登板したエースは、「目標とする選手はいません。自分が誰かのお手本になれるような選手になりたい」と語る。大きな夢を持って、ここから新たな一歩を踏み出す。


【望洋高】雨中の大声援、また来年もこの場所に

望洋高が初めて迎えた甲子園での夏。ときおり強さを増す雨の中、約600人の生徒や多くの保護者、卒業生らがアルプススタンドを青く染めた。

野球部員で応援団長の今居大輔さん(3年)は、「相手を威圧するくらい大きな声を出し、選手を後押ししたい」。その言葉どおりの応援が初回から選手を勢いづける。2死一、二塁の好機で峯尾京吾選手(1年)が先制適時打。幸先のいいスタートを切り、スタンドには笑顔があふれた。

しかし、2回に入ると激しい雷雨により試合が中断。20分ほどで再開したが、雨脚はなかなか弱まらなかった。「選手を勇気づけるのはもちろん、悪天候を跳ね返せるくらいの演奏をしたい」と吹奏楽部部長の葛絵梨奈さん(3年)。卒業生を加えた90人の部員は楽器をビニール袋で覆いながら、演奏を続けた。

試合は2回に同点に追いつかれたものの、直後の3回に再びリードを奪う。興奮に包まれたスタンドには、同校が初めて選抜高校大会に出場した2010年春のレギュラー天川大勢さん(10年度卒)の姿も。「春とは別の球場のように雰囲気が違う。ここでプレーできる後輩がうらやましい」と話し、「自分たちの持てる力を出しきってほしい」と声援を送った。

惜しくも8回に逆転を許し、甲子園での初勝利はならなかった。ぬかるんだグラウンドで泥だらけになった選手たちが整列する。この日一番の拍手とともに、スタンドからはひときわ大きな声が飛んだ。「感動をありがとう! また来年もここに帰ってこよう」

 
(写真上)「初戦は100点に近い投球ができた」と西嶋選手。大脇監督は、「1試合ごとに成長していくのがわかった。甲子園で楽しい時間が過ごせたと思う。欲を言えばもっと勝たせてやりたかった」と話した
(写真下)無数のメガホンが揺れ、青く染まったアルプススタンド

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