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スポーツ

2020/02/01

6区館澤主将が意地の区間新

箱根駅伝復路優勝につなげた!

1月2、3日に東京・大手町から箱根・芦ノ湖間(217.1㌔)で行われた東京箱根間往復大学駅伝競走に陸上競技部駅伝チームが出場。復路でチーム初の優勝を果たし、総合で準優勝となった。6区で区間新記録をマークした館澤亨次選手(体育学部4年)ら力のある選手がそろった「黄金世代」は今季で卒業するが、来年度は後輩たちが初の学生駅伝三冠を目指す。

“駅伝男”が有終の美「仲間の声援が支えに」

「稀代の駅伝男」――。両角速駅伝監督(体育学部准教授)は、今大会の6区で区間新記録をマークした館澤選手をこう評する。学生三大駅伝と呼ばれる10月の出雲全日本大学選抜駅伝競走、11月の全日本大学駅伝対校選手権大会、箱根駅伝には1年時から3年時まですべてに出場。区間賞3回、区間2位が5回と好成績を残し続けてきた。

しかし、駅伝主将となった今年度は7月に見つかった故障が長引き、11月上旬まで満足した練習ができなかった。ようやく復帰した箱根駅伝ではチームは往路を終えて首位の青山学院大学と3分22秒差の4位。目標だった連覇に向け流れをつくるべく、館澤選手は芦ノ湖から駆け出した。

「山下り」と称される6区だが、序盤の5キロ弱は上り坂が続く。「下りを走るのが得意な選手が多く起用されるので、自分が前との差を詰められるのは序盤の上り坂」と後半のスタミナ切れを恐れずに序盤から全力で前のチームを追った。

わずか5キロで首位との差を45秒詰めると、9キロ地点ではさらに2秒、従来の区間記録を42秒も上回るハイペースで天下の険を駆け降りていった。

痛みに耐え駆け抜けた最後の箱根路
6区は急勾配の下り坂を猛スピードで駆け降りるため、監督らが乗車して伴走する運営管理車が終盤までつかない。そこでメンバー外の選手がのぼりを持って1キロごとに沿道に立ち、館澤選手に前のチームとのタイム差などを伝えた。
 
10キロ付近で足に疲労がたまり、スピードを落としそうになった館澤選手だが、チームメートの声に背中を押された。「次ののぼりまで全力で……」と何度も思い直し、中継所を目指した。

終盤の残り5キロからは、左足のかかとにできた血マメがズキズキと痛み出す。表情はゆがみ、何度も意識が飛ぶような感覚にも襲われながら、残り1キロを迎えた。

「館澤ー!!」

沿道の大声援の中から、ともに戦ってきた駅伝副主将の西川雄一朗選手(同)や鬼塚翔太選手(体育学部4年)ら同級生の声が聞こえた。「最後の最後に同期がいてくれて、もう動かないと思っていた足を前に出すことができた」

マークした区間記録は57分17秒。従来の区間記録を40秒も上回る快走だった。両角監督は、「長い間長距離種目の指導をしていますが、今回の力走には感動した。後続の選手たちに勇気を与える素晴らしい走りだった」と絶賛。館澤選手は、「最後の箱根駅伝を走る中で、最高の仲間と4年間を駆け抜けたんだと実感した。苦しい1年でしたが、チームメートのおかげで後悔なく、大学駅伝から卒業できます」と振り返っていた。

1500メートルに専念「世界で上位を狙う」
大学での館澤選手は、トラックでは1500メートルで、駅伝シーズンでは20キロ近い距離を走ってきた。卒業後は、横浜DeNAランニングクラブへと進み、自身の主戦場である1500メートルで世界大会上位進出を目指す。同チームは駅伝に取り組んでいないため、「今回の箱根駅伝が競技人生最後の駅伝になるかもしれない。有終の美を飾れてよかった」と笑顔で語る。

「トラックで養ったスピードと駅伝で培ったスタミナをどちらも持っているのは大きな武器。両立を支持してくれた両角監督や西出仁明ヘッドコーチ(体育学部准教授)に感謝しています」

来年度まず目指すのは、6月の日本選手権での王座奪還だ。一昨年度、昨年度の日本選手権大会では実業団選手を破り、日本一に輝いていたが、今年度は故障の影響もあり、9位だった。「箱根の疲れがとれたら、本格的に1500メートルの練習を再開します。日本選手権の王座奪還はあくまで通過点。東海大で育ててもらったことを誇りに、世界でも上位を狙います」



関連記事=大会新でチーム初の復路V
関連記事=【記者の目から】黄金世代ラストラン

 

(上写真)6区を走る館澤選手
(下写真)館澤選手(前列左から2人目)ら黄金世代。卒業後も競技を続けるランナーが多く、今後もライバルとして切磋琢磨していく

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