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特集

2024/10/01
教育の現場から
話題の授業や地域・企業と連携した課外活動など、東海大学の特色ある教育現場に迫ります。

【人文学部「フィールドワーク演習」】 キャンパス飛び出し「二十歳の遊学」

将来につながる貴重な体験

人文学部が7月から8月にかけて、アメリカ・ハワイ州や大分県豊後高田市、北海道根室市などで「フィールドワーク演習」を初めて実施した。「二十歳の遊学」をテーマに、各地の歴史や文化を五感で学び、キャリア設計に生かすことが目的。3年生約80人が各地の行政職員や地域住民らと交流を深めながら、多様な体験を積んだ。

 

豊後高田市の職員との懇談会中にも、

学生たちは積極的に質問を投げかけ、

広報政策などを学んだ

人文学部は、2022年度に静岡キャンパスに新設された。文学や歴史学、人類学など人間が持つ多様な「価値」を考える人文学の根幹を受け継ぎ、多面的なリベラルアーツ教育を展開している。今回のフィールドワーク演習は、学部1期生となる3年生が、長期間プログラム(実施先=ハワイ州、豊後高田市、根室市)と短期間プログラム(静岡市、南伊豆町、愛知県豊橋市など)のいずれかから希望先を選択して滞在。研究・調査・体験・交流の4つの柱の下、各地で貴重な経験を積んだ。

 

 

後輩たちを前に成果を発表

9月18日には静岡キャンパスで「フィールドワーク演習成果発表会」も開催。来年度にこのプログラムに参加を予定している2年生に向けて、学びの成果を報告した。「コミュニケーション能力が培えた」「自分の目で見るメリットやチャレンジの大切さを学んだ」と、発表者それぞれが自らの成長を実感し、達成感を得ている様子がうかがえた。

 

聴講した後輩たちは、「自分の将来につながるような経験ができる場所を選択したい」「フィールドワークに魅力を感じて人文学部に進学した。話を聞いて楽しみになった」と目を輝かせていた。

 

川﨑一平学部長は、「各地で学生たちを温かく迎え、協力してくださった方々がいたからこそ、学生たちは大きく成長できた」と感謝を口にし、「今後もキャンパスのある静岡市はもちろん、さまざまな地域と連携して教育プログラムの充実を図り、地域に貢献していきます」と話している。

 

【7/1~14 ハワイ州】国際的視野広げ英会話にも磨き

HTICでの学びを現地での生活でも生かし、

「語学力が飛躍的に伸ばせた」と学生たち

7月1日から14日まで、ハワイ州で行われたフィールドワークには6人の学生が参加した。現地の過去と現在を目で見て学び国際的な視野を養おうと、パールハーバーやポリネシアンカルチャーセンターなどの文化施設を見学した。

 

学生たちは「食文化」「ファッション」「スピリチュアルスポット」などそれぞれにテーマを定め、個別調査も実施。滞在先となったハワイ東海インターナショナルカレッジ(HTIC)では英会話の授業も受講した。11日には、フィールドワークの成果をスライドにまとめて発表し、終了後にはHTICの吉川直人学長から修了証が手渡された。

 

参加した望月礼恩さんは、「雄大な自然に囲まれながら現地の方々とたくさん交流し、英語も上達した。国際的な視野も養えて、ひと言では言い表せないほどの体験ができた」と笑顔を見せ、「異国の文化に触れるからこそ感じる日本の美しさや魅力にも気づき、視野が大きく広がりました」と振り返った。

 

【7/9~8/23 豊後高田】地域と交流し調査結果を報告

豊後高田市でのフィールドワークは7月9日から8月23日にかけて、14人の学生が参加して行われた。同市は、静岡キャンパスと連携協定を結んでおり、学生たちは市や教育委員会の協力の下、政策などを学ぶガイダンスを受講。寺社やビーチなども見学した。その後、それぞれの研究テーマに沿って調査を始め、市職員や地域住民、観光客にヒアリングを続けた。

 

7月19日には、市役所で第1回の成果報告会を実施。「温泉水を使った料理」「豊後高田市のⅤチューバー広報施策を学び、大学の広報に生かす」といった多彩な調査結果を報告した。その後も学生たちは調査を続け、25日の最終調査報告会を経て一時的にフィールドワークを中断。静岡市や地元に戻る学生もいた一方で、同市でアルバイトをしながら1カ月間滞在し続ける学生もいた。

 

最終プログラムとなる8月21日からは、豊後高田市の観光施策と比べようと全国有数の温泉地を抱える別府市にも足を運んだ。約2カ月間を振り返り、中村祥一朗さんは、「人の温かさに触れ、縁もゆかりもなかった豊後高田市が、“第2の故郷”になった。いつか豊後高田市に貢献できるような研究成果を残したい」と笑顔を見せていた。

 

【7/11~31 根室市】日本漁業問題解決の糸口を探る

早朝からコンブ干し作業に挑戦

静岡キャンパスと相互協力協定を結ぶ根室市でのフィールドワークには、学生5人が参加。学生たちは7月11日から31日まで、市が推進する「昆布漁業体験インターンシップ制度」を活用し、プログラムの前半には歯舞漁港でのセリなどを見学。漁協職員からのガイダンスや北方領土問題に関する研修も受講したほか、地域が主催するイベントや祭りに参加し、地

域住民とも交流を図った。

 

18日から29日までは、学生が4軒のコンブ漁家に泊まり込み、作業を体験。夜明け前から水揚げされたコンブを広げて干し、根切りや結束といった出荷作業など一連の工程を手伝い、昆布漁について学んだ。

 

参加した井尻真帆さんは、「コンブ漁の作業は難しさもありましたが、漁家の皆さんに優しく教えてもらい、とても勉強になりました。滞在中にはおいしい食事も振る舞ってもらい、充実した日々を送ることができた」と話した。

 

引率した川﨑学部長は、「根室市が抱える人手不足や地球温暖化による不漁といった課題は全国各地でも見られる。この問題を実体験した経験を生かし、日本の漁業の未来を支える研究成果の創出につなげてほしい」と語った。

 

 

 

 

 

 

 

 

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