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特集

2023/09/01
教育の現場から
話題の授業や地域・企業と連携した課外活動など、東海大学の特色ある教育現場に迫ります。

【東海大学DAY】グラウンド内外で多彩な企画

学生の力で球場を盛り上げる

8月23日にエスコンフィールドHOKKAIDOで行われたプロ野球公式戦では、「東海大学DAY〜Once in a blue moon night〜」として湘南・札幌両キャンパスの学生と教職員が多彩な企画を実施=【関連記事】プロ野球公式戦で「東海大学DAY」。試合前日からさまざまな企画に取り組んだ学生たちを追った。

 

プレゼント企画では、東海大学や付属高校の

学生・生徒、同窓生、家族らにうちわを

手渡した

東海大学DAYに先駆け、前日の22日には体育学部スポーツ・レジャーマネジメント学科の学生たちが球場でチケット販売や手荷物検査、座席案内、ごみ拾いなどのボランティアに従事し、試合運営の裏側を体験した。また、「スポーツ&レジャーインターンシップ」の履修学生は、運営本部の業務も担当した。

 

 

 

来場者とエコバッグを制作するワークショップ

も盛況。湘南でのホームゲームで行ってきた、

賞味期限が近くなった食べ物を寄付する

"食品ボックス"や、リサイクルを呼びかける

といったエコ活動から着想を得た

23日は6つの班に分かれて準備してきたさまざまな企画を実施。開場に合わせて設置したプロモーションブースでは、不要になったユニホームやTシャツを持参した来場者とエコバッグを制作するワークショップを行った。斉藤美波さん(3年)は、「湘南キャンパスで大学バスケットボールのリーグ戦をホームゲームとして運営する際にさまざまなエコ活動をしてきた経験を生かし、他のプロスポーツチームでも行われているエコバッグづくりを参考に企画を考えました。多くの方に参加してもらえてうれしかった」と語った。

 

 

 

フォトスポットでは、札幌キャンパス硬式

野球部の部員らが参加を呼びかけた。今川

選手も着用したユニホームを着て、子ども

たちを中心に笑顔で写真に収まる様子が

見られた

札幌キャンパスのブースでは、同キャンパス硬式野球部のユニホームを着て写真が撮れる「フォトスポット!」と、「東海大学と少しでも関わりがあったらプレゼントゲット!」の企画を、国際文化学部と生物学部の学生有志らが運営。ファンに向けて、「東海大はご存じですか?」「ファイターズの伏見寅威選手、今川優馬選手は東海大出身です!」と積極的に声をかけていた。プレゼントを受け取った来場者からは、「息子が札幌キャンパスの前身である北海道東海大学の卒業生。このようなイベントを開いてくれて、在学中のことを思い出しました」といった声が聞かれた。

 

 

試合の裏側を体験 今後につながる学びを

来場者に配布した「東海大学DAY」のボード

を掲げてベースランニング

試合を盛り上げようと奮闘する学生たちに、卒業生もエールを送った。

 

試合前にはファイターズに所属する伏見寅威選手(体育学部2012年度卒)が学生たちと対面し、「自分の大学生活はとても充実していて、プロに入るという目標をかなえられた4年間でした。皆さんも目標や夢を大事にして大学生活を送ってください」と語りかけた。

 

 

リーチ選手も卒業生を代表して

ビデオメッセージ

北広島駅や球場内の大型ビジョンで流された、体育学部の学生が卒業生の動画クリエイターと共に制作したCMにはラグビー日本代表のリーチマイケル選手(体育学部10年度卒)が登場し、「後輩たちがいろいろなイベントを計画しています。ぜひ楽しんでいってください」と紹介するとともに、「僕もこれから世界と戦ってきます。応援よろしくお願いします」とメッセージを寄せた。

 

 

力強いボールを投げた

舘林さん

始球式で力強い球を投げ込んだ(株)SQUEEZE代表取締役CEOの舘林真一さん(政治経済学部12年度卒)は、「学生たちが運営しているのは素晴らしい取り組み。同じ大学出身者としてうれしい」と笑顔を見せていた。

 

ブースで抽選会の当選者に景品を渡す

学生たち

5回終了時には学生たちが「YMCA」ダンスを披露し、7回終了時には大型ビジョン抽選会も行われ、ブースで当選者に選手のサイン色紙や東海大学タオルセットなどを手渡した。当選した小学生は、「本当にうれしくて、夏休みの記念になりました。YMCAダンスを見て、大学生になったらこんなこともできるんだ、自分もやってみたいと思いました」と目を輝かせていた。

 

 

 

 

スポーツ・レジャーマネジメント学科の大津克哉准教授は、「ボランティアとして試合を支える裏方の仕事を体験させてもらうだけではなく、観客の方々に楽しんでもらえる企画を立案、運営し、さらに演者として観客の顔を見ながら盛り上がりも体感しました。イベントが出来上がるまでにはさまざまな人が携わり、周到な準備がされていることを感じてくれたのではないでしょうか」とコメント。学生統轄の岸駿人さん(2年)は、「お客さんとして球場に行くだけでは分からない、多くのことを学べました。大学クラブのホームゲーム運営などにも取り入れられる学びがたくさんありました」と今後への意欲を語った。

 

札幌キャンパス近隣の小学生も参加

 札幌キャンパスの呼びかけに賛同した南の沢小学校の児童が、初回に行われるファイターズ選手の守備紹介の際に選手と守備位置につくキッズスターター、試合開始を宣言するプレイボールキッズを担当。

 

 

札幌ボランティアプロジェクトや札幌学生会のメンバーが案内役を務めた。21日には、国際文化学部の植田俊講師と職員、学生が同小学校を訪問。元ファイターズ大谷翔平選手の在籍するロサンゼルス・エンゼルスで行われている「本塁打を放った選手が兜を被る」パフォーマンスを意識した段ボール兜を一緒に制作した。

【地域創造学科】視覚障がい者と野球観戦 "合理的配慮"を考える

球種や打球の方向などをつぶさに伝える東出

さん(左から2人目)。大場さん(左端)は、

「学生さんの説明には臨場感がありました」

と話した

「東海大学DAY」では、札幌キャンパスの国際文化学部地域創造学科で学ぶ学生たちが、視覚に障がいがあってもスタジアム観戦を楽しめるための"合理的配慮"を考える演習に取り組んだ。

 

同学科の「地域創造フィールドワークC」を履修する11人の学生が、今春学期から取り組んできたもので、サービスやボランティアを受ける側の観点からホスピタリティを深く考え、視覚に障がいのある方の立場に立ったスポーツ観戦の楽しみ方をテーマに設定。授業を担当する植田俊講師が副会長を務め、北広島市を拠点に活動する視覚障がい者団体「めねっと北広島」の協力を得て、視覚障がい者による講演の聴講をはじめ、エスコンフィールドHOKKAIDOの視察などに取り組んできた。

 

8月4日には、めねっと北広島会員の大場日出男さんも授業に参加。学生たちは、植田講師と大場さんの指導を受けて、「手引き」と呼ばれるガイド役の注意点などを学んできた。

 

キャンパス内の廊下でガイドの練習に

励んだ学生たち

「東海大学DAY」当日は、視覚障がい者4人と共に、試合開始前のスタジアムツアーに参加。視覚障がい者に寄り添って歩き、展示物の詳細を説明した。試合中は、学生たちが、「今の打球はレフト線ぎりぎりでファール」「セカンドの選手がヒット性の当たりを好プレーでアウトに」と試合の状況を伝え、大型ビジョンに映し出された選手の経歴や今季の成績などから野球談議にも花を咲かせた。大場さんは、「ランナーの動きなども隣で詳しく教えてくれたことで、状況がよく分かり野球を楽しめました」と笑顔を見せていた。

 

東出究太朗さん(3年)は、「授業を通じて自分の知らない世界の知見を深められた。日常でも困っている人がいれば率先して手助けできるようになりたい」とコメント。植田講師は、「学生たちは、視覚障がい者の方たちがどのような生活を送っているのか深く知る機会になったと思う」と授業の成果を語っていた。

 

関連記事=視覚を用いないでスポーツを「みる」 「東海大学DAY」で実践へ 

 

 

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