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特集

2024/09/01
教育の現場から
話題の授業や地域・企業と連携した課外活動など、東海大学の特色ある教育現場に迫ります。

【東海大学DAY】プロ野球公式戦で多彩な企画

湘南&札幌の学生が運営

プロ野球の現場で多くの学び――東海大学が8月23日に、北海道北広島市のエスコンフィールドHOKKAIDOで行われた北海道日本ハムファイターズ対福岡ソフトバンクホークスの試合を「東海大学DAY~Let's Fly Together!~」としてサポート。ファイターズの事業運営会社株式会社ファイターズスポーツ&エンターテイメントの協力を得て実施されたもので、湘南・札幌両キャンパスの学生や教職員が多彩な企画を展開した。

 

グラウンド内外で多くの経験 現場での学びを次につなげる

練習の成果を発揮し、ファイターズガールと

記念撮影

2年目を迎えた東海大学DAYは、「企画を立てて実行し、反省会で振り返ることで、より深い学びを得られる」と湘南キャンパスの学生たちを指導する体育学部スポーツ・レジャーマネジメント学科の大津克哉准教授は語る。イベント運営の現場は予定どおり進まないことも多いため、「学生たちは“イベントは生もの”であると実感できているのではないでしょうか。マネジメント力やその場での対応力などは社会に出てからも生きる経験になる」。 

 

 

板嶌奏さん(体育学部3年=中央右)と

前島桃佳さん(同2年=同左)が、

農学部が産官学連携で開発した

芋焼酎「阿蘇乃魂」などを贈呈

6月には湘南を会場に札幌ともオンラインでつないで特別講義を実施=8月1日号既報。試合運営の裏側や来場者と従業員の満足度向上を目指す取り組みを学んだ学生たちは、班ごとに企画を詰めていった。

 

 

 

 

 

エコバッグを制作した女性は、「Tシャツの

裾に細かく切り込みを入れて結ぶ発想が

面白く、学生の説明も分かりやすかった」と

コメント。小学生は「エスコンフィールドに

来るときに使います!」と語っていた

迎えた当日、試合開始前には一塁外野側のプロモーションブースで、不用になったTシャツを使ったエコバッグ制作ワークショップを実施し、長蛇の列ができるほど大盛況だった。

 

オリジナルうちわを手渡す札幌の学生たち。

「道内在住ですが昨年は参加できなかったので、

今年はぜひ行きたいと思っていました」と話す

湘南キャンパス卒業生も来場した

隣の札幌キャンパスブースでは、2つの企画を展開。「東海大学と少しでも関わりがあったらプレゼントゲット!」では、オリジナルのうちわやメガホンを手渡した。中村立さん(国際文化学部3年)は、「多くの方に東海大を知ってもらおうと声をかけました。たくさんのお客さんの笑顔が見られてよかった」と語る。「フォトスポット」では来場者が硬式野球部のタテジマのユニホームを着て、楽しそうに記念撮影する姿もあった。

 

東海大の魅力をアピール オリジナル商品も贈呈

試合前に学生たちが「GO TOKAI」と書かれた

ボードを掲げてベースランニング

試合前のグラウンドでは、湘南の学生らが「ベースランニング」を行い、ファイターズの選手に東海大オリジナル商品も贈呈。始球式では全体統括の瘧師椋奈さん(体育学部2年)がマウンドに上がり、8番捕手で先発出場したファイターズの伏見寅威選手(体育学部2012年度卒)との“東海大バッテリー”に大きな拍手が送られた。 

始球式に登板した瘧師さん(左)は、伏見選手

から「ナイスボール!」と声をかけられ笑顔

(ⓒH.N.F.)

 

 

5回裏終了後に湘南と札幌の学生がグラウンド

でYMCAダンスを披露。スタンドを盛り上げた

試合開始後も、湘南の学生たちは慌ただしく球場内を走り回った。5回裏終了後には、札幌の学生や球団オフィシャルチアチームのファイターズガールと共に「YMCA」ダンスを披露。7回裏終了後には大型ビジョンで抽選会も行い、ブースで当選者に賞品を渡した。

 

 

 

抽選会の当選者には、農学部オリジナルの

ブルーベリージャムや付属静岡翔洋高校の

生徒が授業で開発に携わった

「Swee Tea GREEN」などが入った

「東海大学満足セット」を手渡した

瘧師さんは、「スタッフが密にコミュニケーションを取り、広い視野を持って周りの人の仕事も把握することがお客さまへのホスピタリティにつながると実感しました。秋に湘南で男子バスケットボール部によるホームゲームの運営も控えているので、今回の学びを生かしたい」と意気込む。

札幌キャンパスの呼びかけに賛同した札幌市立

南の沢小学校の児童が、キッズスターター

(上写真)とプレイボールキッズを担当

昨年度に続いて参加した岸駿人さん(体育学部3年)と大原麻央さん(同)は、ファイターズと学生、教職員らをつなぎ互いの意見や要望を聞いて形にする、より高度な運営に携わった。「一つの試合を運営するためにこれほど多くの仕事があり、たくさんの人が関わっているのだとあらためて分かりました」と2年目の学びを得ていた。 

 

後輩たちがプロデュースした試合で、伏見選手は2回に先制のタイムリーヒットを打った。「先輩としていいところを見せられてよかった。大学の名前を冠した試合はほかにはない東海大ならではの取り組み。このような試合でプレーできたことを誇りに思います」

 

試合状況を言葉で伝える 視覚障がい者とスポーツ観戦

エスコンフィールド内の展示模型を解説する

内海さん(右端)

「東海大学DAY」では、札幌キャンパスの国際文化学部地域創造学科の学生たちが、視覚に障がいがあっても楽しめるスポーツ観戦の方法の探求に取り組んだ。 

 

同学科の植田俊准教授が担当する授業「地域創造フィールドワークC」の一環で、北広島市を拠点に活動する視覚障がい者団体「めねっと北広島」の協力を得て実施したもの。東海大学DAY当日に向けて、学生たちは事前に視覚障がい者による講演を聴講した。また、エスコンフィールドも視察し、球場を案内する際の注意点や、視覚障がい者からの要望を共有してきた。 

 

スタジアムツアーでは、リリーフカーにも試乗

 当日は、めねっと北広島の会員2人と学生11人が来場。球場内を巡るスタジアムツアーに参加した後、試合を観戦した。栁森翔太さん(3年)が、「球場では周りの歓声などで私たちの声が聞こえにくい場合があります。“このくらいの声の大きさで聞こえますか?”とその都度声をかけました」と話したように、学生たちは積極的にコミュニケーションを取った。投手がボールを投げるタイミングなど試合状況の説明はもちろん、ネクストバッターズサークルやブルペンにいる選手の様子、監督の表情まで伝えた。

 

ファイターズを幼いころから応援する

栁森さん(左)。試合観戦では、

選手自身の情報も詳しく語った

内海隼太さん(2年)は、「高校時代、聴覚に障がいのある陸上選手の伴走をしていた経験から授業を履修しました。専門用語が分からない方でも、説明を聞いて頭の中で絵が浮かぶように、目の前の状況を端的に伝えるように心がけました」と話す。めねっと北広島の大場日出男さんは、「スマホで過去の対戦記録を調べて、対戦投手との相性を解説してくれる学生もいて、若い世代の野球観戦の方法も感じられて面白かった」と語った。 

 

植田准教授は、「視覚障がいのある方がどのような案内を求めているかは、当事者にしか分かりません。学生たちにはニーズを想像して行動するのではなく、分からないことは聞くように伝えていました。実際に積極的にコミュニケーションを取って、しっかりガイドしてくれていました」と話していた。

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