特集:教育の現場から
2014年4月1日号
東海大学の新たな地域連携
文科省採択事業「To-Collaboプログラム」
13年度の研究成果19件を報告

To-Collaboプログラムの2013年度「地域志向教育研究経費」採択課題の成果報告会が、3月6日に高輪校舎で開催された。当日は計19件の研究代表者が成果を報告。教職員や行政関係者、地域住民など約150人が聴講した。

東海大学では文部科学省の平成25年度「地(知)の拠点整備事業」に採択された「To-Collaboプログラムによる全国連動型地域連携の提案」の一環として、地域連携研究を推進。地域の活性化や貢献につながる研究に対し、地域志向教育研究経費を助成している。今回の報告会は13年度の同研究経費に採択された19件の成果を報告するとともに、地域や学内連携のあり方を模索するもの。

当日は教員による報告に先立ち、文部科学省大学改革推進室改革支援第一係の江戸朋子係長があいさつ。「地(知)の拠点整備事業」の狙いを説明したうえ、「東海大学のように全国にキャンパスが広がる総合大学で、全学的に地域連携活動を推進していくのは非常にユニークな試み。ぜひ成功させてほしい」と述べた。

その後、「地域デザイン計画」「ライフステージ・プロデュース計画」「観光イノベーション計画」「エコ・コンシャス計画」の4計画8事業、計19件の研究代表者が登壇。活動成果を紹介するとともに、課題や今後の展望についても語り合った。

最後に、To-Collaboプログラム運営委員会の委員長を務める山田清志副学長が「来年度以降もTo-Collaboプログラムを通じて、大学全体の教育改革を進めていきたいと考えています。本日の成果報告会を一つのステップとして、さらに前進していきましょう」と総括して閉会した。なお会場の外では研究ポスターも展示され、休憩時間などに熱心に眺める参加者の姿も見られた=写真


To-Collabo公開シンポジウム
パブリック・アチーブメント型教育の現状と可能性を語り合う

To-Collaboプログラム公開シンポジウム「『パブリック・アチーブメント』型教育の高等教育における可能性」が、2月27日に東京・霞が関の東海大学校友会館で開催された=写真

東海大学ではTo-Collaboプログラムに基づいて全学で教育改革を行い、理論と実践を融合した「パブリック・アチーブメント」型教育を取り入れることで、全国共通の課題を解決できる人材の育成を目指している。今回のシンポジウムはその一環。全国の各校舎から集まった教職員や他大学の関係者ら約110人が出席した。

基調講演では東京大学大学院教育学研究科の小玉重夫教授とアメリカのオーグスバーグ・カレッジのデニス・ドノヴァン氏が、日本とアメリカの現状や実践事例などをそれぞれ紹介。ドノヴァン氏は「東海大学がパブリック・アチーブメント型教育の日本におけるリーダーとして、その普及に努めてほしい」と期待の言葉を述べた。その後のパネルディスカッションでは、東海大学モデルをつくり上げて全学的に広めるための方策について、活発な意見交換も行われた。


☆News Flash☆
芸術高等教育の観点から新しい大学のあり方を考える
To-Collabo プログラム「シニアのための芸術系高等教育を考える─地域社会に開かれる新たな大学を目指して─」が、3月8日に湘南校舎で開催された。キャンパス周辺地域に暮らすシニアに向けた生涯学習型高等教育のあり方や、芸術教育における価値や可能性を探るもの。東京大学大学院教育学研究科の牧野篤教授の基調講演のほか、牧野教授と行政関係者、教員らによるディスカッションなどが行われた。参加者からは、「今後は大学で開催されるイベントなどにも積極的に参加してみたい」といった感想が聞かれた。


世界腎臓デー記念公開講座「腎臓の病気を知ろう」
3月15日に伊勢原校舎で、世界腎臓デー記念公開講座「腎臓の病気を知ろう〜早く見つけて、しっかり自己管理〜」が開催された。To-Collaboプログラムの一環で実施されたもの。地域住民や医学部付属病院の患者、医療従事者など約130人が参加した。当日は付属病院のさまざまな職種の専門家が、理論編と実践編の7テーマで講演。終了後の質疑応答では参加者から、「近年の治療法に進歩は見受けられるのか」「薬を飲み忘れたら?」などの質問が多岐にわたって寄せられた。


静岡市長をはじめ約60人が参加、清水校舎でフォーラムを開催
「東海大学To-Collaboフォーラムin清水『世界文化遺産富士山 望星丸洋上セミナーからみえてきたこと』」が3月15日に清水校舎で開催され、市民約60人が参加した。当日は静岡市の田辺信宏市長を特別ゲストに迎え、To-Collaboプログラムの一環で昨年10月に実施した望星丸での洋上セミナーと11月の「海のフォトコンテスト」の成果や感想を、海洋学部の教員と学生、参加者代表が発表。大学と地域の連携のあり方について、自治体の担当者や近隣自治会の代表者が講演した。


Interview
全学をあげて取り組み、学生の教育につなげたい
To-Collabo推進室 梶井龍太郎室長


「To-Collabo プログラム」は、文科省の採択を受けて昨年度から5年計画で進めている東海大学の新たな地域連携プロジェクトです。今年4月には推進室が発足。学内の各関係機関や地域の皆さまの協力を仰ぎながら、推進活動に努めていきたいと思っています。

To-Collaboでは社会貢献や研究など多岐にわたる活動を展開していきますが、その成果を学生の教育につなげていくことを最終目標としています。そこで今年度以降は各学部・学科、そしてチャレンジセンターとも連携しながら、学生が直接かかわる機会を増やしていく方針です。

また、「地域志向教育研究経費」の助成についても、研究に限らず教育や社会貢献分野の公募も可能にするほか、支給金額や活動内容に応じて2つのタイプを設けるなどの改善を図っていきます。これらを通じてTo-Collaboの認知度を高め、全学をあげてこれを推進していく――推進室はそのための“つなぎ役”としての役割を果たしていく考えです。