Column:Point Of View
2021年6月1日号
学ぼうと思ったきっかけ
情報通信学部通信ネットワーク工学科 宇津圭祐 准教授

「なぜ、情報通信学部で学ぼうと思いましたか?」

学生たちが入社試験の面接で、学部を選んだ理由について質問されることがある。

その分野に興味を持ったきっかけは―。研究室の学生と就職活動支援の一環で面談する機会もあり、私自身も自分が情報通信学に興味を持ったきっかけは何であったかを振り返ってみた。

小学生のころ(1990年代)は任天堂のファミリーコンピュータ(ファミコン)やスーパーファミコンが流行していた。ゲームが大好きだった私は毎日のように遊んでいた。現在の家庭用ゲーム機はインターネット接続の機能が備わっているが、当時インターネットは一般には普及していなかった。PCがある家は少なく、携帯電話でさえ持っている人は少ない時代だった。そのころに、スーパーファミコンに取りつけることで、BSアナログ放送によって配信されるゲームを受信する装置(サテラビュー)が発売され、話題になっていた。実物を買ってもらうことはなかったが、当時はなんとなく、それがすごいものなのだろうと思っていた。

一方、父の考えは異なり、「これからはインターネットの時代だ」と話していた。後にそれは現実になり、Windows95の発売、家庭へのPCの普及、そして情報ネットワーク技術は欠かせないものとなった。

私はその可能性に魅せられた。情報通信学を学ぶきっかけとなったのだと思う。現在となっては、スマートフォンが普及し、いつでもどこでもインターネットを通じて情報を発信できるようになり、生活に不可欠なインフラの一つとなっている。しかし、情報通信技術に関する課題は多くあり、また社会における課題解決のために情報通信技術を生かす取り組みが各方面で行われている。私自身もその研究者の一人だ。

興味のあることを突き詰めることは、大学での学びや研究の基本だ。そのもとになったきっかけから振り返ることは、もちろん懐かしむことでもあるし、就職活動の自己分析にも役立つが、それ以上にあらためて自身のこれまでの取り組みを見直すことにもつながるのではないだろうか。

(筆者は毎号交代します)

 
うつ・けいすけ 1985年生まれ。東海大学電子情報学部卒業。同大大学院総合理工学研究科博士課程修了。博士(工学)。専門は情報ネットワーク・情報システム。